1996 Fiscal Year Annual Research Report
肝線維症及び肝硬変の遺伝子治療の研究-可溶性Transforming growth factor-βレセプターを用いて-
Project/Area Number |
08457305
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井上 啓爾 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (90274646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 和之 長崎大学, 医学部附属病院, 医員
古川 鋼一 長崎大学, 医学部, 助教授 (80211530)
兼松 隆之 長崎大学, 医学部, 教授 (40128004)
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Keywords | TGF-β / 肝硬変 / 肝線維症 |
Research Abstract |
平成7年度までに、TGF-βtypeIIレセプターの細胞外ドメインを、マウス線維芽細胞cDNA libraryよりRT-PCRを用いcloningした。SRαプロモーターをもつ発現vectorに組み込み、COS細胞に導入し、約40KDの可溶性II型レセプターproteinを上清に発現させた。平成8年度は、これを継続し、TGF-β可溶型レセプターを精製し、125I-TGF-βと、in vitroにて反応させ、band shiftすることで、結合を確認した。これらの生化学的実験において、購入した超純水装置で精製した超純水を使用した。さらに、ミンク肺上皮細胞(MvILu)培養液中にrecombinant TGF-βを投与すると増殖抑制作用がみられるが、これに可溶性TGF-βレセプターを投与することで、TGF-βの作用を中和する(増殖抑制を解除する)ことが弱いながらもできることが確認された。これらの細胞を扱った実験において、購入した液体窒素タンクおよびCO2インキュベータ-を使用し実験を行った。又、可溶性II型レセプターの発現効率を上げる為、II型レセプターのsignal peptideの改良、C端末へのImmunoglobulin Fc領域の付加等を行ったが、発現効率はあまり変わらなかった。平成9年度以降は、可溶性II型レセプターがin vivoにおいて有効であるかどうかを検討する。そのためには可溶性II型レセプターが多量に必要である。そこで大腸菌によるfusion protein作製を試み、発現vectorに可溶性レセプター遺伝子を組み込み、大腸菌に多量に発現させ、これを精製し、最終的には、ラットの肝硬変モデルを用いて、in vivo投与を行い、有効であるか検討したい。
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