1998 Fiscal Year Annual Research Report
肝線維症及び肝硬変の遺伝子治療の研究 可溶性Transforming growth factor β レセプターを用いて
Project/Area Number |
08457305
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Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 啓爾 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (90274646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 隆之 長崎大学, 医学部, 教授 (40128004)
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Keywords | TGF-β / 肝硬変 / 肝線維症 |
Research Abstract |
平成9年度までに、TGF-βtypeIIレセプターの細胞外ドメインを、マウス線維芽細胞cDNA libraryよりRT-PCRを用いcloningし、SRαプロモーターをもつ発現vectorに組み込み、COS細胞に導入し、約40KDの可溶性II型レセプターproteinを上清に発現させた。また、TGF-β可溶型レセプターを精製し、1251-TGF-βと、in vitroにて反応させ、band shiftすることで、結合を確認した。さらに、ミンク肺上皮細胞(MvILu)培養液中にrecombinant TGF-βを投与すると増殖抑制作用がみられるが、これに可溶性TGF-βレセプターを投与することで、TGF-βの作用を中和する(増殖抑制を解除する)ことが確認された。また、大腸菌によるfusion protein作製を試み、大腸菌に発現させたが、タンパクが長いため大腸菌では発現しなかった。平成10年度では、長いタンパクを発現可能なヴァキュロvirusを用いて、蛋白の発現を試みたところ、約40KDのタンパク発現をみたが、TGF-βとの結合試験、および抑制試験ともに成功せず、現在も導入遺伝子の改良を行っている。また、可溶性II型レセプターの発現効率を上げるための試みを続け、II型レセプターのsignal peptideの改良(インターフェロンのsignal peptideへの置き換え)、また、C端末へのImmunoglobulin Fc領域の付加を行い、COS細胞に導入したところ、約3倍のタンパク発現効率となり、今後は動物実験へと移行する予定である。
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