1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞培養による動脈血行再建術後晩期閉塞の病態ならびに制御対策の解明
Project/Area Number |
08457306
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Research Institution | Ryukyu University |
Principal Investigator |
鎌田 義彦 琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (10177561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久田 斉 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (80244309)
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Keywords | 末梢動脈血行再建 / 自家静脈移植 / 内膜肥厚 / 細血管新生 / 壁面剪断力 / コラーゲン / 血管内皮細胞 / 細胞培養 |
Research Abstract |
末梢動脈抵抗の高い血流環境下で自家静脈移植片、ならびに吻合部で発生する内膜肥厚の機序の解明を目的としてin vivoおよびin vitroの検討を行った。 方法:1.雑種成犬の膝窩動脈ならびに大腿動脈を分枝を結紮して末梢runoffの悪い異常流れを作り、大腿動脈自家静脈バイパスを行った。吻合には非吸収糸であるpolypropyleneと吸収糸であるpolydioxanoneを使用し比較した。バイパス後経時的に移植片を採取し、(1)バイパス部よりも中枢側の腸骨動脈からMicrofilを注入し、吻合部肥厚内膜における細血管の新生過程を観察した。(2)免疫組織化学的にコラーゲンの分布を検索した。 2.In vitro実験ではシャーレの底に犬血管内皮細胞を培養し、回転装置に載せて培養し、各シャーレについてI型および抗IV型コラーゲン量を免疫組織化学的に中心より1cmの細胞および中心より3cmの細胞について検索比較した。 結果:1.吻合部肥厚内膜におけるvasa vasorumの新生及び細胞構築は縫合糸の種類に影響されず、吸収性の縫合糸が吸収された後も血管内腔由来のvasa vasorumは遺残した。 2.異常流下の移植片内膜肥厚部においては肥厚内膜の深層部においてIV及びV型コラーゲンが中間層や内皮下領域の内膜に比べて増量していた。正常流下の肥厚のない内膜では中間層や深層よりも内皮下領域でI、IV、(III、V)型コラーゲンが多く分布していた。縫合糸による差異はなかった。 3.I型コラーゲンについては壁面剪断力変化の低い内皮細胞の方が、IV型コラーゲンでは逆に壁面剪断力変化の高い細胞が多くのコラーゲンを産生した。 考察:血管内皮細胞及び平滑筋細胞のコラーゲン代謝について、shear stressの影響やvasa vasorumの分布との関連で更に検討が必要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐久田斉、草場昭、鎌田義彦、他: "膝下病変に対する血行再建術の検討" 日本血管外科学会誌. 4(5). 29-35 (1996)
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[Publications] 佐久田斉、玉木正人、鎌田義彦、他: "ペラプロストナトリウムの末梢循環改善作用とワ-ファリン併用の影響に関する検討" 脈管学. 35(4). 231-237 (1995)
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[Publications] 草場昭、佐久田斉、鎌田義彦、他: "人工血管感染に対する制御対策の工夫" 日本血管外科学会誌. 6(4). 463-472 (1997)
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[Publications] H.Sakuda,A.Kusaba,Y.Kamada,et al.: "Surgical treatment of iliac vein compression syndrome" Current topics in Phlebology,m.Okada ed.233-237 (1996)
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[Publications] 佐久田斉、松原忍、鎌田義彦、他: "間欠性跛行に対するトレッドミル歩行検査の至適条件の検討" 血管無侵襲診断研究会誌. 17. 65-66 (1997)
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[Publications] A.Kusaba,Y.Kamada,H.Sakuda,et al.: "Staged surgical manajement of abdominal aortic anevrysm with Klebsiella pnevmonide in fection:A case report" Ryukyu med J. 17(2). 105-108 (1997)