1996 Fiscal Year Annual Research Report
一時的人工抗血栓性から永久的天然抗血栓性へと移行させる人工血管壁の細胞挙動
Project/Area Number |
08457310
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岩井 芳弘 横浜市立大学, 医学部, 助手 (30275044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野一色 泰晴 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60033263)
孟 真 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70264645)
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Keywords | 人工血管 / ヘパリン / 抗血栓性 / 骨髄 / サイトカイン / 内皮細胞 / 熱架橋 / 細胞分化 |
Research Abstract |
我々はヘパリンを失活させることなく130℃、20時間の加熱によりコラーゲン繊維に固定化する技術を開発した。一般にヘパリンは生物活性物質であるため熱に対しては注意深く取り扱い、冷蔵庫保存を行う。しかし我々は完全な乾燥状態におけるヘパリンの耐熱性を明らかにし、これを人工血管設計に導入した。この技術とは別に我々は骨髄組織を人工血管壁に自家移植する技術を得た。すなわち骨髄には活発な分裂能力、分化能力のある細胞が多く存在し、これらは場に応じて種々の細胞へと分化しつつ独自に器官を作る性質をもつ。また状況によっては幹細胞を次々と作って造血活動を維持する。そしてこれらの活動期間中維持して細胞活動、器官形成に必要なサイトカインを産生することが明らかとなった。 この度の研究では両技術の有機的結合を行い両者の特徴を時間をかえて発揮させる工夫を行った。詳細に言うと骨髄細胞移植による新生内膜形成には少なくとも1ヶ月の期間が必要であるが小口径人工血管ではこの間に閉塞を来すおそれがる。この間をこの度の研究ではヘパリンの固定、徐放出により乗り切る工夫を行った。すなわち最初の段階で人工血管にコラーゲンを網目状に吸着させておき、これにヘパリンを高熱をかけて固定化する。このような構造の網目に骨髄を自家移植するものである。in vitroの研究結果ではヘパリンの抗凝固効果が発揮された。in vivoの結果では人工血管として植え込みを行ったところ血栓の付着をおさえることができた。観察期間がまだ短いため骨髄細胞による内膜形成効果の確認には到っていないが、今日の状況では予期した結果を得つつある。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Yoshihiro Iwai: "Development of a thermal cross-linking heparinization method and Its application to small caliber vascular prostheses." ASAIO Journal. 42(5). 693-697 (1996)
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[Publications] S.Satoh et al.: "Clinical Use of Low Porosity Wovev Ultrafine Polyester Fiber Grafts." Artificial Organs. 19(1). 57-63 (1995)
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[Publications] A.Matsumoto et al.: "Sealing of Fabric Vascular Prosthesis with Autologous Adipose Tissue." Artificial Organs. 19(1). 51-56 (1995)
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[Publications] Y.Noishiki et al.: "Transplantatin of Autologous Tissue Fragments into a e-PTEF Grafts with Long Fibrils." Artificial Organs. 19(1). 17-26 (1995)
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[Publications] J.Ninomiya et al.: "Late results of clinical experience with small caliber biological grafts." Artificial Organs. 19(1). 46-50 (1995)
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[Publications] Xiao Hua Ma et al.: "Thermal cross-linking for biologically degradable materials preliminary report." ASAIO Journal. 42(5). 866-871 (1996)
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[Publications] Y.Noishiki: "Materials in Clinical Applications." P.Vincenzini,Techna Srl,Faenza, 8 (1995)
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[Publications] Y.Noishiki: "Materials in Clinical Applications." P.Vincenzini,Techna Srl,Faenza, 10 (1995)