1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457316
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武藤 泰彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30272561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 純夫 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60162848)
富永 治 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10261976)
石川 弘一 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80228064)
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Keywords | DNAワクチン / 腫瘍ワクチン / 免疫療法 |
Research Abstract |
前年度にCAGプロモーターやCEプロモーターが筋肉内で高い発現を示すことを確認した。本年度は以下の手順で実験を行い知見を得た。 1.(発現ベクター作製)マウスメラノーマ抗原の1つであるH52遺伝子(千葉大学谷口教授より供与)を発現するpCAGH52を作製し、in vitroで発現させうることを確認した。また同レベルで高い発現を示すCEプロモーターを用いて変異型p53を発現するベクターpCEp53を作製し、in vitroで発現させうることを確認した。このp53はマウスの線維肉腫株Meth-Aに発現し、CTLの標的になることが報告されている。 2.(筋組織での発現)pCEp53 100μgをマウスの大腿四頭筋に注射し、2日後に筋肉を採取しホルマリン固定した。p53免疫染色では筋細胞の核にp53が強染された。 3.(抗体産生)pCEp53注射後1週間ごとに血清を採取した。ELISA法を用いて抗p53抗体の産生を調べたところ、有意差をもって抗体産生が見られた。 4.(拒絶実験)抗体産生実験で宿主の免疫応答が確認されたので、pCAGH52を1週間ごとに3回筋注し、H52を発現するマウス線維肉腫株MC1を皮下注射した。しかし全く免疫効果は見れなかった。 5.(他臓器での発現)筋肉注射では免疫効果が十分には認められなかったので、注射した発現ベクターが最もよく発現する臓器を検索することにした。肝・腎・舌・鼡径リンパ節・腹腔などにCAT発現ベクターpEFCATを注射し、2日後に臓器を採取しCAT assayを行った。その結果、筋肉よりはるかに発現の高い臓器が見つかった。この臓器にpCAGH52を注射し、MC1をchallengeしたところほぼ全てのマウスで拒絶が認められた。 平成10年度は、CTL assayなどを行いin vitroで免疫効果を検討する予定である。
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