1996 Fiscal Year Annual Research Report
胸部大動脈瘤に対する血行力学的評価法の開発-動脈瘤破断診断支援システムの開発-
Project/Area Number |
08457340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田林 晄一 東北大学, 医学部, 教授 (90142942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健郎 東北大学, 工学部, 講師 (30209639)
貞弘 光章 東北大学, 医学部附属病院, 教授 (80250778)
佐藤 正明 東北大学, 工学部, 講師 (30111371)
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Keywords | ラブラス式 / グラデュエントエコー法 / MIP法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大動脈の局所壁応力等の生体学的な評価法を検討し、動脈瘤破裂の危険性の察知や手術適応の決定に役立てることである。応力解析には、生理学の分野で用いられてきたラブラスの式より求める方法、有限要素法を適用する方法、有限変形理論による算出、の3つの方法がある。 今回我々は、ラブラスの式による解析を検討した。ラブラスの式は、血圧(以下P)、大動脈径(以下R)、大動脈壁厚(以下h)が、構成要素となっている。画像診断により、この3つのパラメーターを求め、大動脈全体の応力分布を求めることにした。現在術前検査として行っているものは、CT、UCG、MRI、血管造影検査である。このうちRとhを求めるためには、任意の断面でSectionできなければならない。先ずUCGであるが、アロカ社から発売されているSSD-550血管内エコー装置を使用し、検討した。血管内エコーでは、観察すべき場所(大動脈瘤近傍)を細かなSectionに分けることができ、しかも径時的な変化をも観察できると思われた。しかし実際の血管内エコー検査では、far gainが短く大動脈全体へはエコーが届かず、大動脈全体の観察は困難であった。8Fr、10MHZの太い(周波数の低い)ブローベでも同様であり、長時間の検査は患者に侵襲が大きいこともわかった。現在MRIにより上記パラメーターを求めることを考えている。MRIでは、任意断面のSectionが可能でありグラデュエントエコー法で血流は高信号となるため、造影剤を使用せずとも血管壁が明確に写し出される。血圧は上腕動脈をマンシェットで計測はしているが、これでラブラスの式の3つのパラメーターを求めることができ、現在6症例の応力を求め応力分布を作成している。また心電図同期させることにより、80mn毎のMIP法による動画をも作成している。また心電同期させることにより、80mm毎のMIP法による動画をも作成し、大動脈全体の動き(しなり、ねじれ等)も解析中である。
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