1997 Fiscal Year Annual Research Report
ラットトレランスモデルを用いた肺移植におけるトレランス成立機序の研究
Project/Area Number |
08457341
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤村 重文 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 輔二 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (80281997)
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (10195901)
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Keywords | トレランス / ラットモデル / 肺移植 / Th1サイトカイン / Th2サイトカイン / 脾細胞移植 / 拒絶反応 |
Research Abstract |
我々は、WKYをドナー、F344をレシピエントとしたラット肺移植モデルにおいてはトレランスが成立すること、また、このモデルの移植肺に発現されるサイトカインがTh2優位であることを報告してきた。このモデルにおいてトレランスが成立する理由の一つとして、WKYとF344の組織適合性が近いことが考えられるが、移植肺に臓器特異的に存在する何らかの因子が関与する可能性も考えられる。そこで、本研究においては、移植前脾細胞注入(DST)が、本モデルにおけるトレランスの成立にどのような影響を与えるかについて検討した。 DST(-)群では、肺移植後拒絶反応が術後2〜3週間をピークに一旦進行した後、自然に消退するのに対し、DST(+)群では、拒絶反応は増強し、移植肺は術後7週間までに完全に拒絶された。移植肺のサイトカインの発現をみると、DST(-)群ではTh2サイトカイン優位であったのに対し、DST(+)群では、Th1、Th2サイトカインが共に発現していた。 以上の実験結果より、WKYラットの抗原提示がF344ラットにおいて必ずしもトレランスを誘導する方向に機能するとは限らないことが明らかになった。従って、このモデルにおけるトレランスの成立には、組織適合性のみならず移植肺に特異的に関連する何らかの因子が関与する可能性が示唆された。また、トレランスが成立せず拒絶反応が進行したDST群ではTh1、Th2サイトカインが共に発現していたことから、Th2サイトカインの発現が必ずしもトレランスの成立に結びつかないことが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Okada Y, et al.: "Accumulation of platelets in rat syngeneic lung transplants. A potential tactor responsible for preservation-reperfusion injury." Transplantation. 64. 801-806 (19967)
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[Publications] 松村輔二、他: "臓器移植と臨床検査 肺移植" 臨床検査. 41. 915-917 (1997)
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[Publications] Matsumura Y, et al.: "Extracellular-type phosphate buffered solution for llong-term lung preservation-experimetal studies of canine and primate lung transplants" Cardiovascular Engineering. 2. 75-80 (1997)
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[Publications] 近藤 丘、他: "肺および心肺移植" 日本外科学会雑誌. 97. 997-1002 (1997)
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[Publications] 近藤 丘、他: "細胞外液肺保存液の開発" 低温医学. 23. 105-112 (1997)
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[Publications] 松村輔二、他: "肺移植・心肺移植の現況と展望" 免疫 Immunology Frontier. 7. 47-51 (1997)