1997 Fiscal Year Annual Research Report
肺胞上皮細胞イオントランスポートから見た肺細胞保存と移植に関する研究
Project/Area Number |
08457342
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷田 達男 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (20217144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 重文 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006078)
小野 貞文 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (80250827)
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Keywords | 慢性肺気腫 / 肺胞上皮細胞 / イオントランスポート / 肺細胞移植 / 肺障害 / 細胞培養 / 肺保存液 / ステロイド |
Research Abstract |
慢性肺気腫や肺線維症などで、肺胞上皮細胞が不可逆な変化を生じ、近年の高齢化に伴う呼吸不全患者の増加の原因となっている。このため、肺胞上皮機能低下に対する治療として肺胞II型細胞の移植が可能か否かを検討することを目的に本研究を行った。 平成8年度には肺胞II型細胞を分離培養することと、肺胞上皮機能の主体となるNa-K-ATPase活性測定法を確立した。 平成9年度はセルソーターを用いてより効率のよい細胞分離法を開発することを目標とした。この方法は未だ完成はしていないが、古典的なdifferential adherence techniqueによって純度80%以上で肺胞II型細胞の分離が可能となった。 肺細胞保存の実験を行うことによって肺胞上皮細胞のvaibilityを維持することを目標とした。当施設にて開発した細胞外液組成のEP4液と一般に使用されている細胞内液Euro-Collins(EC)液の比較を行った。肺胞上皮機能を肺胞水分クリアランス(AFC)にて計測すると、EP4液は保存後もAFCが保たれるのに比してEC液では低下することが示されている。 肺障害モデルを検討した実験では、サイクロオキシゲナーゼ阻害剤が肺血管透過性亢進を抑制する事が示された。このため、肺胞上皮機能に対するステロイドの作用を検討すると、グルココルチコイド投与によってAFCが増加することが示された。このことはステロイドが抗炎症作用以外に肺胞に漏れた液を肺間質に汲み上げることのよって生体の防御を行っていることを示す新知見である。
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[Publications] Noda, M.: "Dexamethazone accelerates alveolar fluid absorption via Na^+ channel in rats" Amcrican J.Resp.Critical Care Med.155・4. A647 (1997)
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[Publications] Sugitsa, M.: "Effects of flushing temperature and preservation solution on alveolar fluid clearancc in the preserved rat lungs" Transplantation. 29. 1354-1356 (1997)
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[Publications] Tanita, T.: "Cyclooxygenase metabolites possibly produced by endothelial cells mediate the lung injury caused by mechanically stimnlated leukocytes" Tohoku J.Exp.Med.183. 211-232 (1997)