1996 Fiscal Year Annual Research Report
異種生体弁の石灰化防止に関する研究;-小児に移植可能な生体弁の開発をめざす-
Project/Area Number |
08457343
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
関根 智之 秋田大学, 医学部, 助教授 (80206630)
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Keywords | porcine pulmonary valve / porcine aortic valve / heparin / anticalcification / bioprostheses |
Research Abstract |
現在、臨床応用されているglutaraldehyde処理異種生体弁の最大の欠点は石灰化による組織変性と破壊のために耐久性に乏しいことである。とくに、小児に移植したものは短期間で高度な石灰化をきたすため、小児へのしようは行なえないのが現況である。以上より、異種生体弁の石灰化防止を目指し、以下の研究を行なった。 方法 ブタ大動脈弁(AV)と肺動脈弁(PV)を摘出し、glutaraldehyde処理を加えた。さらに、これらにアミノ酸類を含有する溶剤を介して低分子ヘパリン処理を加えた(I群)。対象群としては、摘出ブタ大動脈弁と肺動脈弁を、市販されている生体弁を同様に0.625%glutaraldehyde処理したものを用いた(II群)。これらを幼若ラットの皮下に植え込み、5ヶ月後に摘出し、石灰化の程度を比較した。 結果 II群におけるAV,PVの平均カルシウム含有量はそれぞれ233.69mg/g,181.48mg/gであり、両弁とも著しい石灰化を呈した。これに対し、I群でのAV,PVの平均カルシウム含有量はそれぞれ0.73mg/g,1.13mg/gであり、石灰化を防止できた。
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