1997 Fiscal Year Annual Research Report
移植後冠状動脈硬化症の分子生物学的病因解明と遺伝子治療技術を応用した防止策の開発-In Situ PCR法による病因遺伝子同定の試み-
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08457349
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白倉 良太 大阪大学, 医学部, 教授 (00116047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶌 教偉 大阪大学, 医学部, 助手 (30263247)
澤 芳樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00243220)
中田 精三 大阪大学, 医学部, 助教授 (50116068)
宮川 周士 大阪大学, 医学部, 助手 (90273648)
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Keywords | 慢性拒絶反応 / ラット心移植 / 戻し心移植法 / PCR法 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き雄性遺伝子DNAを標的としたPCR In situ hybridization法を確立すべく、組織固定法、Protease処理条件、PCR条件、Primer及びProbeの選択などの条件を検討したが、満足すべき特異シグナルを得るに到らず、本法の確立にはなお研究が必要であることが明らかとなった。そこで約40種にわたるラットサイトカイン、増殖因子のRT-PCRによる半定量法の確立に着手し、これについては移植心組織を用いた各種増殖因子mRNAの定量が可能である事が明らかとなった。今後慢性拒絶反応時の増殖因子mRNAの変化を解析する予定である。 以上の如く慢性拒絶反応の発症機序を分子レベルで解析する手法の開発を行うと同時に、戻し心移植法による慢性拒絶反応を細胞生物学的に検討した。一次宿主のT細胞またはマクロファージを抗体もしくはクロノロデ-ト投与により除去することで、慢性拒絶反応発症には移植後5日以内のCD4^+またはCD8^+T細胞とマクロファージによる初期免疫応答が必須であることが明らかとなった。また2次宿主にF1動物またはT細胞を欠くヌードラットを用いることで、慢性拒絶反応の発症に術後5日以後のT細胞によるアロ免疫応答は必須でないことが明らかとなった。今後もこのF1動物への再移植モデルにおいて血管内膜肥厚病変の進展と一次宿主からの浸潤細胞の推移、局所でのサイトカイン産生の関係を分子レベルで検討すべく研究をすすめる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Izutani, et al.: "Essential Initial Immunostimulation In graft coronary arteriosclerosis Induction detected by retransplantation technique In rats ; the participation of T cell subsets." Transplant Immunology. 5. 11-15 (1997)
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[Publications] H.Izutani, et al.: "Recipient macrophage depletion reduces the severity of graft coronary arteriosclerosis In the rat retransplantation model." Transplantation Proceedings. 29. 861-862 (1997)