1997 Fiscal Year Annual Research Report
定量的蝸牛神経損傷モデルによる蝸牛神経損傷病態の解析
Project/Area Number |
08457356
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
関谷 徹治 弘前大学, 医学部, 助教授 (70154656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 重晴 弘前大学, 医学部, 教授 (30004708)
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Keywords | COCHLEAR NERVE / NERVE DEGENERATION / NERVE REGENERATION |
Research Abstract |
当初の予定に従って、我々が確立した「定量的蝸牛神経損傷モデル」を用いて、種々の条件下に実験を重ねた。まず、蝸牛神経の圧迫様式と蝸牛神経損傷について検討を加えた。その結果、いわゆるstatic compressionに対しては蝸牛神経は高い耐性を有していることが見いだされた。そして、引き続き行った検討によって、蝸牛神経損傷の程度は圧迫子の進展速度に最もよく相関することを見いだすことができた。さらに、圧迫損傷後の神経変性の進展過程も明らかにしつつある。従来、手術侵襲などに対して極めて脆弱であるとされてきた内耳動脈が、圧迫損傷に対してこれまで考えられていた以上の耐性を有していることも新たに見いだされた。これら手術の研究成果に対して、四年ごとに開催されてきた世界脳神経外科学会総会(第11回、オランダ、アムステルダム、平成9年7月)において学会賞(The Volvo Award for Central Nervous Injury Research)が授与された。これは、全世界からの応募論文中、一編のみに授与されるものであり、本科研費によってなされた実験研究から世界的評価を得たという意味で、その受賞の意義は大きいと考えられる。
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Research Products
(1 results)