1998 Fiscal Year Annual Research Report
RF組織内温熱療法のためのコンピュータ脳内温度シミュレーションシステムの開発
Project/Area Number |
08457358
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 隆一 新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿沼 健一 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (50283015)
高橋 英明 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70236305)
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Keywords | 温熱療法 / 温度分布 / コンピュータシミュレーション / 治療計画法 / 悪性神経膠腫 / 脳腫瘍 / ラジオ波 / 組織内加温 |
Research Abstract |
我々はこれまでに悪性神経膠腫53例に対し、針状電極を用いた組織内温熱療法を施行してきた。初発例29例、再発例24例であり、CT上の奏効率は初発例62%、再発例42%であった。 充分な加温を行う為には、より正確な加温領域の把握が必要であると考えている。これまで我々は電極に垂直に挿入したカテーテル内の温度センサーを引き抜くことにより、一次元的に温度分布を把握してきた。しかし複雑な形状の腫瘍を複数の針状電極で加温する場合、加温領域を一次元での測温により予測することは困難である。また温度分布は冷却因子である脳血流量に大きく影響されることが知られており、その把握には腫瘍や脳浮腫の血流量を考慮することが重要である。 現在、より正確に温度分布を把握し、充分な加温を行うためにコンピュータシミュレーションを用いた治療計画法を考案中である。コンピュータシミュレーションは二次元有限要素解析法を用いたもので、導電率、誘電率、血流量等の生体熱物性値が腫瘍や脳浮腫、皮質、白質等で各々指定されている。今回左前頭葉神経膠芽腫再発例に対し、温熱治療前にシミュレーションによる治療計画を立て加温を行った。2本の針状電極を用いることによりCT上の増強部位を43℃に加温できた。加温後の画像では43℃以上に加温された部位に壊死を認めた。 コンピュータシミュレーションを中心とした治療計画法により、二次元の温度分布の把握が容易となり、より確実かつ安全な加温が可能になると思われた。
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[Publications] R.Tanaka et al.: "Hyperthermic Sensitization by Hematoporphrin on Glioma Cells" Int.J.Hyperthermia. 14(5). 503-511 (1998)
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[Publications] 柿沼健一 他: "温熱増感剤としての熱感受性リポソーム:悪性脳腫瘍に対する新しい温熱化学療法" 日本ハイパーサーミア学会誌. 111(5). 87-97 (1998)
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[Publications] K.Kakinuma,R.Tanaka,et al: "Targeting thermo-chemotherapy for malignant glioma using thermosensitive liposome as its clinical use." Hyperthermic Oncology in Japan'97. 1. 35-38 (1998)
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[Publications] H.Takahasi et al.: "Analysis of effective cases treated with thermoradiotherapy for malignant glioma." Hyperthermic Oncology in Japan'97. 1. 90-91 (1998)