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1998 Fiscal Year Annual Research Report

脳虚血耐性現象の遺伝子発現からのアプローチ

Research Project

Project/Area Number 08457359
Research InstitutionNIIGATA UNIVERSITY

Principal Investigator

阿部 博史  新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (60240769)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森井 研  新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (20230089)
Keywords脳虚血 / 虚血耐性 / Immediate early gene / Heat shock protein / DC potential
Research Abstract

今まで再現性の高い砂ネズミの虚血耐性モデルを作成し,更にその虚血耐性現象の性質を明らかにした。そこで,同モデルの海馬CA1神経細胞における虚血耐性現象の獲得に関与する遺伝子を明らかにする目的で,Heat shock proteinに代表されるHSP2と転写因子を発現するimmediate eary geneのうちc-fos,junB,junD,c-.junについて,それらの発現の脱分極持続時間の閾値を測定し,今までに明らかにした虚血耐性効果を誘導する脱分極持続時間と比較検討した。
砂ネズミ(n=33)に脱分極持続時間が0〜10.5分の種々の時間の虚血を加え,1時間後に断頭し,凍結切片作成後,in situ hybridizationにてCA1神経細胞におけるHSP72,c-fos,junB,junD,c-junのmRNAの発現を観察した。更にHSP72に関してはIEGに比べその発現が遅れることも考え,別な砂ネズミ(n=20)で同様な方法で6時間後のmRNAの発現も観察した。その結果,虚血後1時間で,HSP72は脱分極持続時間3.5分以上でようやく発現し,脱分極持続時間の延長とともに増加し5分以上でplateauに達した。それに対して,c-fos,junB,junD,c-junのどのIEGにおいても,虚血耐性効果が認め始める脱分極持続時間1.5分から同じく発現が見られ,mRNA発現がpeakになる脱分極持続時間はIEGの種類でやや異なるものの,耐性効果がmaximumとなる2.5〜3.5分では強い発現が観察された。脱分極持続時間が5分以上になるとmRNA発現の減少が見られた。虚血後6時間では,HSP72は虚血後1時間と比べより短い脱分極持続時間でmRSAの発現が観察され始めたが,耐性効果がmaximumとなる2.5〜3.5分の脱分極時間においても約半数以下の海馬でしか発現が認められなかった。
以上より,当初虚血耐性現象の獲得に深く関係すると考えられたHSPのうち少なくともHSP72の発現は必ずしも必要でなことが,脱分極持続時間を指標とした正確な再現性の高いモデルにおいても確認された。それに対して,c-fos,junB,junD,c-jun等のIEGは虚血耐性発現に何らかの関わりをもつ可能性が強く示唆された。

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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