1998 Fiscal Year Annual Research Report
マウスモノクローナル抗体及びそのヒト型化抗体を用いた新しい遺伝子導入法の開発
Project/Area Number |
08457363
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 惠司 大阪大学, 医学部, 助教授 (50162699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池中 一裕 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00144527)
田村 和義 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | Monoclonal antibody / Humanized antibody / Single-chained antibody / Gene therapy / Gene transfer / HVJ-liposome / Immunoliposome / Internalization |
Research Abstract |
ONS-M21マウスモノクローナル抗体〈Br J Cancer,1999)が認識するグリオーマ関連抗原は、integrin α3であることが実証された。そして、この抗原が脳内で発現されるメカニズムを解明する事は、グリオーマ細胞の浸潤性やその悪性度の観点から非常に重要である。一方、脳特異的遺伝子関連プロモーターを組み込んだレトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療実験を早くから手がけてきており、マウス脳内に移植したグリオーマ細胞の約25%に殺細胞遺伝子(HTK)を導入できれば、ガンシクロビル(GCV)の腹腔内投与にてほぼ全例完治しうることを実証した(HumGene Ther,1997;Gene Ther,1998)、そして、Polyoma ori発現遺伝子をパッケージング細胞に導入することで、高力価な脳特異的レトロウイルスベクターを抽出する手段が確立できた(Hum Gene Ther,1998)。この高力価レトロウイルスベクターを用いたin vivo治療では、80%のマウスグリオーマモデルが完治した(Hum Gene Ther投稿中)。このように有効なベクターであっても、腫瘍自体にレトロウイルスレセプターが無ければ治療自体が成り立たない。そこで、このレセプターを有していない腫瘍に対する遺伝子治療法の可能性を追及する目的で、HVJリポソームを用いた脳特異的遺伝子治療法の開発も行っている(Gene Ther,1997)。このHVJリポソームにヒト型化抗体を結合することで、よりグリオーマ特異的遺伝子治療法の開発も手がけている。このヒト型化抗体やその単鎖抗体は、ヒト髄芽腫やグリオーマ細胞とin vitroで共存培養すると、20分以内に約20%の抗体が細胞内に取り込まれることから(Cancer lett,1998)、抗体単独による遺伝子導入法の開発や、免疫複合体(放射活性、トキシンあるいは制癌剤等との結合物)によるグリオーマ特異的ターゲティング療法への応用も期待されている。しかしながら、この抗体を用いてHTK遺伝子を一括で導入するには分子量が大き過ぎるので、非常に実現困難であることが検証され、今のところ目的遺伝子を分割導入する方法を試みている。
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[Publications] Shimizu K: "Internalization with high targeting potential of mouse monoclonal antibody ONS-M21 recognizing human malignant glioma antigen." Cancer lett. 127(1-2). 171-176 (1998)
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[Publications] Park KC: "Regulation of interferon responses in medulloblastoma cells by interferon regulatory factor-1 and -2." Br J Cancer. 77(12). 2081-2087 (1998)
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[Publications] Tamura M: "Transduction of glioma cells using a high titer retroviral system and their subsequent migration in brain tumor." Gene Ther. 5(12). 1698-1704 (1998)
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[Publications] Ohtomo T: "A humanized single-chain Fv fragment with highly targeting potential against human malignant gliomas." Anticancer Res. 18(12). 4311-4315 (1998)
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[Publications] Kishima H: "Monoclonal antibody ONS-M21 recognizes integrin α3 in gliomas and medulloblastomas." Br J Cancer. 79(2). 333-339 (1999)