1997 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制遺伝子(p53,p16)の導入による悪性脳腫瘍に対する遺伝子療法の研究
Project/Area Number |
08457368
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
古田 知久 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (30181457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 恭裕 岡山大学, 医学部, 助手 (40294409)
田宮 隆 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (50252953)
松本 健五 岡山大学, 医学部, 助教授 (10190521)
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Keywords | tumor suppresor gene / p53 / p16 / p21 / gene therapy / adenovirus vector / glioma cells |
Research Abstract |
我々は脳腫瘍の遺伝子治療を目的として、細胞周期を制御する遺伝子の腫瘍細胞での発現の検討とその遺伝子導入による抗腫瘍効果を研究している。平成9年度に行った研究とその結果は下記の如くである。 1)脳腫瘍における癌抑制遺伝子(p53,p16、p21、p27)の異常とその発現の研究 我々の教室で手術により得られた脳腫瘍組織で検討しており、p53の遺伝子異常と発現、p21の発現及び増殖能との関係を明らかとし、論文に発表した。 2)アデノウイルスベクターの脳腫瘍に対する遺伝子導入法の検討 脳腫瘍細胞に対する遺伝子導入効率を高めるために、強力なCAGプロモーターを用いたアデノウイルスベクター(AdexCALacG)を作成し、脳腫瘍細胞に対する遺伝子導入をin vitro及in vivoで検討した。その遺伝子導入効率は非常に高く有用な遺伝子導入法と考えられ、その結果を論文に投稿中である。 3)p53遺伝子治療の研究 アデノウイルスベクターを用いてp53遺伝子をグリオーマ培養細胞に導入し、温度感受性を検討した結果、p53に変異がみられた細胞に正常p53遺伝子を導入すると腫瘍細胞の温度感受性が明らかに増加することが判明した。 以上の研究結果より、脳腫瘍の発生や増殖に癌抑制遺伝子が強く関与していることが明らかとなった。今後はこれらの癌抑制遺伝子を脳腫瘍細胞に導入することにより、温熱療法、放射線療法や化学療法との併用効果の検討、ラットおよびマウスの実験的脳腫瘍モデルでの抗腫瘍効果の検討、等を行い、この遺伝子治療の脳腫瘍への臨床応用をめざして研究を進める予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuhiro Ono: "Accumulation of wild-type p53 in astrocytomas is associated with increased p21 expression." Acta Neuropathologica. 94・1. 21-27 (1997)
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[Publications] Yasuhiro Ono: "Regression of experimental brain tumors with 6-thioxanthine and Esherichia coli gpt gene therapy." Human Gene Therapy. 8・17. 2043-2055 (1997)