1996 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロCTを使った骨梁パターンの構築メカニズムに関する研究-新しい理論モデルの展開
Project/Area Number |
08457392
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 裕正 九州大学, 医学部, 講師 (10239189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日垣 秀彦 九州大学, 工学部, 助手 (00238263)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨梁 / マイクロCT / 形態計測 / バイオメカニクス / フラクタル |
Research Abstract |
1.骨粗鬆化における骨梁構造の変化に関する検討:卵巣摘出および珪酸マグネシウム投与によるラット骨粗鬆症モデルを作成し、若年群、老齢群との間で以下のような比較検討を行った。まず大腿骨に対してDXAによる骨密度測定を行い、次に遠位骨幹端部をマイクロCTを用いて撮影した。CTデータはフィルター処理後、2値化をおこない、各種パラメーター解析、さらに二次元画像データから3次元画像再構築を行った。また骨梁の3次元構造におけるフラクタル次元も測定した。その結果、マイクロCTは組織標本とほぼ同等の形態情報を得ることができ、非侵襲的、非破壊的に骨梁形態を観察することが可能であることを考慮すると、骨梁形態計測の最も有用な手法の一つであると考えられた。骨梁の3次元再構築では、骨梁が全体的に粗になっていた老齢モデルと異なり、骨粗鬆モデルでは髄腔中央部の微細骨梁が消失しており、骨減少のメカニズムの差が示唆された。フラクタル次元は、BMD、Bone Volume Fractionと高い相関を示し、加齢、骨粗鬆化に伴い減少しており骨梁形態の複雑性を反映すると考えられ、ベッチ数は骨粗鬆化に伴い低値を示し、骨梁形態の連結性を反映すると考えられた。 2.骨粗鬆化が力学的強度におよぼす影響についての検討:卵巣摘出骨粗鬆症モデルラットとコントロール群を対象に圧縮試験、曲げ試験、捻り試験を含む力学試験を実施した。圧縮試験では骨粗鬆症モデルにおいて力学的強度は有意に低下していたが、3点曲げ試験及び捻り試験では両者間に明らかな差は認められなかった。これは3点曲げ試験及び捻り試験の部位が海綿骨の少ない長管骨骨幹部であり、骨粗鬆化の力学的強度への影響が少ないことによると考えられた。すなわち、骨粗鬆化の影響は皮質骨より代謝回転の速い海綿骨に速く、強く現れ、一方、長管骨骨幹部ではcortical expansionにより力学的強度の低下を防いでいるのではないかと示唆された。
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Research Products
(1 results)