1996 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症における高位脛骨骨切り術前後の関節軟骨の変化;とくに再生について
Project/Area Number |
08457395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
腰野 富久 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90046029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 直隆 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90235119)
斎藤 知行 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30170517)
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Keywords | 変形性膝関節症 / 変性軟骨 / 再生軟骨 / 高位脛骨骨切り術 / 変性軟骨分類法 / 再生軟骨分類法 |
Research Abstract |
変形性膝関節症に対して高位脛骨骨切り術を施行し、約2年後に内固定を抜去(抜釘)した73症例89膝について骨切り術時、抜釘時に関節軟骨を観察し、変性した軟骨をGrade分類し、再生した軟骨をStage分類した。変性軟骨は、Grade0(正常),Grade1(黄色変性),Grade2(不整と軟化),Grade3(線維化と摩耗),Grade4-a(びらん),Grade4-b(骨露出を伴う潰瘍),Grade4-c(象牙化),Grade5-a(骨破壊:深さ5mm未満),Grade5-b(骨破壊:深さ5mm以上)に分けられ、再生軟骨は、Stage0(再生なし),Stage1(ピンク色と黄色のフィブリレーション),Stage2(島状のフィブリレーション),Stage3(白色のフィブリレーションの部分的被覆),Stage4(白色線維軟骨の過成長),Stage5(白色線維軟骨の平滑化)に分けられた。 また、再生軟骨の一部を抜釘時に採取した28検体について組織学的、免疫組織化学的検索を行った。浅層には軟骨表面に平行に走行する紡錐形の細胞周囲がTypeI collagen陽性の線維軟骨様細胞が24例で、中間層から深層には円形で柱状構造を持つサフラニン-0に細胞間基質が染まり、細胞周囲がTypeII collagen陽性の硝子軟骨様細胞が21例でみられた。 今後さらに軟骨再生の分類を進め、抗ヒトIGF-1の軟骨各層における分布などを調べ、さらに軟骨再生の調節機構を検討する。
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[Publications] 瀧上秀威: "3次元動作解析装置VICONを用いた内側型変形性膝関節症患者の膝の歩行時側方動揺" 日本臨床バイオメカニクス学会誌. 17. 213-217 (1996)
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[Publications] 腰野富久: "高位脛骨骨切り術-28年間の症例の変遷およびY・ブレ-ドプレート固定法の改良と膝関節症変性軟骨の術後の修復" 日整会誌. 70. 817-825 (1996)
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[Publications] 腰野富久: "変形性膝関節症に対する高位脛骨骨切り術術後15年以上の長期成績" 日整会誌. 70. 826-832 (1996)
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[Publications] 和田次郎: "変形性膝関節症における高位脛骨骨切り術後、矯正不足による成績不良例に対する人工関節単顆片側置換術の成績" 日関外誌. 15. 269-276 (1996)
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[Publications] 和田次郎: "OS NOW (ORTHOPAEDIC SURGERY)新時代の整形外科治療" メジカルビュー社, 8 (1996)