1998 Fiscal Year Annual Research Report
急性肺障害の分子生物学的診断および遺伝子治療の検討
Project/Area Number |
08457399
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Research Institution | HIROSAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小谷 直樹 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (30205405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 敏 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (10236276)
橋本 浩 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (00218421)
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Keywords | 肺胞マクロファージ / サイトカイン / 遺伝子発現 / 貧食能 / 殺菌能 |
Research Abstract |
ヒトにおける研究(その1) 我々は、麻酔時間6時間以上の症例を対象とし、肺胞マクロファージ(AM)の貧食能、殺菌能および炎症性サイトカインの遺伝子発現の変化について検討した。イソフルレンとプロポフォールでその差を検索した。 貧食能、殺菌能とも麻酔時間2時間以内ではとも変化はなかった。しかし、2時間以降では有意な低下がみられた。インフルレンがプロポフォールに比べその低下の程度が高度であった。遺伝子発現も麻酔時間2時間以内では軽度であったが、時間の経過とともに増加した。イソフルレンのほうがプロポフォールより高度であった。以上の結果から、全身麻酔によって貧食能の低下やサイトカインの生成という生体にとって不利な反応がおこることが判明した。さらにこの反応は揮発性麻酔薬の使用により増悪することが強く示唆された。 ヒトにおける研究(その2) 喫煙は麻酔後の肺合併症の危険因子としてきわめて重要である。我々は麻酔時間6時間以上の症例を対象とし、前記のモデルと同様にAMの変化を検討した。貧食能、殺菌能とも喫煙者では長時間の麻酔により著明に抑制されることか判明した。また炎症性サイトカインの遺伝子発現も喫煙者で著明に抑制された。したがって、喫煙者におけるAMの免疫能は著明に抑制され、術後杯合併症の要因の一つとも考えられた。 ラットによる研究 気管切開の後、揮発性麻酔薬を陽圧呼吸で吸入させた。AMを全肺洗浄で採取し、炎症性サイトカインの遺伝子発現を検索した。インターロイキン-1、マクロファージ炎症性蛋白、インターフェロン-γ、腫瘍壊死因子-αなどの上昇を認め、炎症反応を惹起することがしさされた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kotani N,: "Intraoperative maduletim of alveolor macrophye fumetin" Anesthesiology. 98. 1125-1132 (1998)
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[Publications] Kotani N: "Gene expressin of cytokines in alerlar macrophyes" Anerthesiology. 99(in press). (1999)