1996 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学の手法を使った悪性高熱症モデルマウス作製とその解析
Project/Area Number |
08457402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田上 惠 東京大学, 医学部(分), 助教授 (90107657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 哲生 財団法人癌研究会, 細胞生物学, 部長
萩原 恵子 東京大学, 医学部(分), 医員
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Keywords | 悪性高熱症 / リアノジン受容体 / 突然変異 / genomic DNA |
Research Abstract |
悪性高熱症のモデルマウスを作製するにあたって、悪性高熱症患者のリアノジン受容体遺伝子の突然変異を調べたところ、その解明率は25%以下であることがわかった。しかも人間の場合、ブタのように純系ではないため、突然変異を起こしている場所が一か所でなく、家系ごとに異なっている。このような状況では、リアノジン受容体遺伝子のある一か所にだけ突然変異のあるマウスを作製しても疾患モデルマウスとはいいがたい。そこで、我々は悪性高熱症患者の血液からgenomic DNAを抽出し、リアノジン受容体遺伝子の解析を行い、新たな突然変異の有無の検索からとりかかることにした。幸いにも昨年の5月、リアノジン受容体遺伝子のエクソン、イントロン構造を解明する論文が出されたので、その論文を参考に、エクソン部分をPCRで増幅し、それをシークエンス解析する実験に着手した。現在、確実に悪性高熱症であると診断された日本人患者三人の遺伝子解析を行い、全体の約1/3の領域のシークエンス解析を終えたが、まだ悪性高熱症と関連があると考えられる突然変異の発現にはいたっていない。今後、残り2/3の領域のシークエンス解析を行い、新たな突然変異の発見と、それによる悪性高熱症の病態生理解明に力を注いでいきたい。
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