1996 Fiscal Year Annual Research Report
副腎再生高血圧症の昇圧機序、とくに血管結合織蛋白質代謝亢進の関与
Project/Area Number |
08457420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中田 瑛浩 山形大学, 医学部, 教授 (50009495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石郷岡 学 山形大学, 医学部, 助手 (20202989)
笹川 五十次 山形大学, 医学部, 講師 (80196146)
久保田 洋子 山形大学, 医学部, 助教授 (60125763)
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Keywords | 副腎 / 高血圧 / コラージェン / エラスチン |
Research Abstract |
片側腎剔除術、両側副腎核出術を1%食塩水を飲料として与えたラットに施行した。核出術を施行した副腎より両側副腎に髄出のない皮質副腎が再生し、血圧は徐々に上昇した。この動物に^3H-プロリン0.4μCi/g体重を投与し、屠殺した後、心臓、大動脈、腸間膜動脈、精巣動脈を摘出し、コラージェン、非コラージェンエラスチン分画中に含まれている^3H-プロリンの取り込み率を測定した。比較的小さな動脈中の非コラージェン蛋白質の^3H-プロリンの取込みは高血圧の上昇とともに増加した。降圧療法により、この取り組みは低下した。すなわち、副腎再生高血圧症の昇圧機序に腸間膜動脈中の非コラージェン蛋白質の代謝亢進が推測された。ヒトの症例、とくに原発性アルドステロン症患者の孤立性腺腫の症例に腺腫を含む部分切除術を施行した。非腺腫部は残存させ、画像にてその生育の可能性を観察した。手術5年を一部の症例では副腎の再生を推測させる所見が得られた。これらの症例ではアンジオテンシン注入試験にも反応して血漿アルドステロン値は上昇した。ACTH0.5mg投与にも副腎皮質が5年間以内に再生し、内分泌機能を発揮していることが示唆された。
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