1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457449
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新美 成二 東京大学, 医学部, 教授 (00010273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 政信 防衛医科大学校, 生理学第一講座, 助手
田山 二朗 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50221403)
森 浩一 東京大学, 医学部, 助手 (60157857)
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Keywords | 声帯振動 / 音声障害 / 音声外科 / 超高速度声帯振動観測装置 / 痙攣性発声障害 / 二重声 / 嚥下 / 声門下圧 |
Research Abstract |
本研究の対象となった音声外科は主として東京大学付属病院耳鼻咽喉科音声外来受診患者である。本年度の患者総数はおよそ350名でありその内200名が音声障害を主訴としている。そのような症例に対し声帯振動の面から術後機能を検討した。声帯振動は臨床的にはストロボスコピーにより観測されているが、病的音声の評価には限界がある。本研究においては我々が開発し臨床利用をしている超高速度声帯振動観測装置を用いて検討した。 痙攣性発声障害は原因不明の難治な音声障害である。この病的音声の生成機能について、声帯振動の面から検討した。その結果は第97回日本耳鼻咽喉科学会のシンポジウム「神経喉頭科学最新の展開」において発表された。 反回神経麻痺による音声障害に対して披裂軟骨内転術を施行しているが、術後二重声になり、当初の予想より音声の改善が見られない場合がある。二重声の生成機構は不明な点があったが、本研究において左右の声帯の振動数が異なっていることが明らかになった。この結果は、日米合同音響学会においてRecent advances in techniques for observing speech productionとして発表された。 嚥下機能も術後の重要な機能である。現在嚥下機能評価のため、食道透視ビデオ撮影と、嚥下圧及び筋電図の同時記録を行うことが出来るシステムを構築している。現在は嚥下物の性状による嚥下動態の検討を行っている。この研究成果は、日本気管食道科学会や嚥下研究会において発表されている。音響的な面からの検討は病的音声に含まれる各種音響パラメータを計算機を用いて抽出し、術後の音声の評価を行っている。 声門下圧の測定は小型圧トランスデューサーを用いて各種疾患について直接測定を行う計画であったが現在は、Vocal fry発声について測定し得たに留まっている。次年度の課題としたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Tsunoda: "Laryngeal adjustment in whispering,MRI study" Ann.Otol Rhinol Laryngol. 106・1. 41-43 (1997)
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[Publications] 今泉 敏: "声の変動特性-音響分析による評価-" 喉頭. 8・2. 116-122 (1996)
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[Publications] 三枝 英人: "前方型披裂軟骨脱臼症の治療経験" 日本気管食道科学会会報. 47・6. 539-544 (1996)
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[Publications] 新美 成二: "咽頭弁形成術" 耳鼻咽喉科・頭頸部外科. 68・11. 88-92 (1996)
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[Publications] 宮地 麻美子: "沈着性病変の声帯にみられた特異な振動パターン" 音声言語医学. 37・2. 223-227 (1996)
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[Publications] 新美 成二: "学校保健における音声言語障害" JOHNS. 13・1. 125-130 (1997)