1997 Fiscal Year Annual Research Report
上気道炎症時の病的粘液の性状に関与する糖転移酵素の分子生物学的研究
Project/Area Number |
08457451
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
坂倉 康夫 三重大学, 医学部, 教授 (40024723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 万彦 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (50206942)
間島 雄一 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (60024791)
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Keywords | ムチン / 糖添加酵素 / 遺伝子発現 / 鼻粘膜 |
Research Abstract |
鼻アレルギー及び慢性副鼻腔炎患者の鼻粘膜を採取し、ムチン遺伝子と糖添加酵素遺伝子の発現を検討した結果、MUC3とMUC6を除いてMUC1、2、4、5AC、5B、7の発現がみられ、MUC2、5AC、5B、7が発現している粘膜においては、ST-30(ST3 GaI Ia)の発現がみられた。しかし、Fuc-TIII,IV,VI,VII,ST-3IV,ST-4とムチン遺伝子との発現の間には、何も相関がみられなかった。 次に慢性副鼻腔炎患者の鼻茸より上皮細胞を採取し、air-Iiquid interphaseで培養し、無刺激群とLPS投与群、ヒト好中球エラスターゼ投与群、LPS+2%血清投与群の4群につき、MUC1〜7及び3種のシアリルトランスフェラーゼと4種のフコシルトラシスフェラーゼにつき、mRNAレベルを検討した。その結果、ムチン遺伝子の発現はLPS投与群において、上昇傾向がみられたが、有意の上昇ではなかった。一方、糖添加酵素遺伝子についてはFuc-TIV,VI,ST-4ではLPS+2%血清投与群及びヒト好中球エラスターゼ投与群で、有意に発現が亢進していた。ST-30ではLPS+2%血清投与群で亢進していたが、ST-3Nでは亢進はみられなかった。
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