1998 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚伝導路に関与する細胞のイオン輸送系に関する研究
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08457453
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
小宗 静男 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10117434)
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Keywords | 蝸牛内静止電位 / 内リンパ液 / 血管条 / Na-K-Cl共役輸送 |
Research Abstract |
蝸牛内静止電位(EP:endocochlear potential)の発生や、内リンパ液の高K濃度維持に血管条のNa/K ATPaseが関与することが知られているが、今回、Na-K-Cl共役輸送がこれらのメカニズムに関与しているか否かを検討した。共役輸送の阻害剤であるfurosemideの外リンパ液潅流により、EPの現象と内リンパ液Kイオン濃度([K]e)の減少を認めたが、furosemideが二次的にNa/K ATPaseに影響を与えている可能性もあるため、Na-K-Cl共役輸送が直接EP発生に関与しているかこの結果からは明らかではない。そこで、まずNa/K ATPaseを阻害剤であるoubainを30分間外リンパ液潅流し、Na/K ATPaseを十分に阻害した後(顕著なEP減少と[K]eを認めた)、続けてNa-free溶液、Cl-free溶液、あるいはfurosemide溶液を潅流して、さらにEP、[K]eが減少するか否か観察した。Cl-free溶液>Na-free溶液>furosemide溶液の順で[K]e減少を認めた。このことより、内リンパ液の高Kイオン維持にNa/K ATPase以外にもNa-K-Cl共役輸送が関与していることが示唆された。一方、EPはNa-free溶液、Cl-free溶液あるいはfurosemide溶液いずれの潅流でも変化を認めなかった。これは、Na-K-Cl共役輸送が電気的にneutralであることを示唆している。Cl-free溶液での影響が一番大きかったも考慮して、Na-K-Clの輸送は1:1:2で行われると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kimitsuki,T.,Hisashi,K.,Komune,S.,Komiyama,S.: "Elavation of intracellular cacium ion modifies mechano-electrical transduction current in chick cochlear hair cells." Proc.Sendai Ear Symposium. 6. 141-144 (1996)
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[Publications] 君付 隆、平 俊明、辻 剛二、小宗静男、小宮山荘太郎: "生理的条件下での蝸牛有毛細胞トランスデューサー電流・ナイスタチン筆孔法による記録" 頭頸部自律神経. 11. 15-17 (1997)