1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457457
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Research Institution | NIPPON MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
八木 聰明 日本医科大学, 医学部, 教授 (80082163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 義雄 日本医科大学, 医学部, 助手 (50281423)
相原 康孝 日本医科大学, 医学部, 講師 (10277486)
青木 秀治 日本医科大学, 医学部, 助教授 (80159293)
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Keywords | 眼球運動 / サッケード / 三次元解析 / めまい / 平衡障害 / コンピューター分析 |
Research Abstract |
1.身体平衡を維持するための出力として、四肢筋や躯幹筋への出力と眼筋への出力がある。本研究では、これら2つの出力のうち、眼筋への出力、すなわち眼球運動を精密に分析し平衡機能の本体解明の一助にしようとするものである。眼球運動は、眼球の回旋軸を中心に回る、水平、垂直、回旋の三次元的運動である。従って、眼球運動の正確な分析には、3次元解析が必須になる。眼球運動のビデオ画像から、運動を三次元的に解析するシステムの改良を平成8・9年度に行い、それを実際に用いることによって判明した更なるソフトウエアの改良部分について修正を行った。最終年度である平成10年度にはこれらの改良がほぼ終了して実用的なシステムにった。 2.眼球運動には緩徐な運動と急速な運動(サッケード)がある。この両者について健常被験者について検討を行った。緩徐運動に関しては、回転と温度眼振の緩徐相を対象に検討を行い、現在まで不明であった回旋性の眼球運動についてその性質が他の眼球運動と同等であることが判明した。また、急速眼球運動に関しては同じ方法によって前庭性眼振を誘発し、それをハイスピードカメラで撮影し解析を行った。とくに、前庭性急速眼球運動の性質が、他の急速眼運動(サッケード)と同様であるかについて三次元的に検討した。水平・垂直の両運動に関しては、従来から言われているサッケードの性質と同じであることがほぼ確実になった。一方、回旋成分に関しては、その性質が他の2つの運動と比較して、多少異なった性質を有している可能性がある。
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[Publications] 八木聰明: "新しい眼球運動三次元解析システムについて" 耳喉頭頸. 70. 241-247 (1998)
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[Publications] 八木聰明: "回旋性眼振の定量的評価" Clinical Neuroscience. 16. 952-953 (1998)
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[Publications] 八木聰明: "めまいと眼振三次元解析" 医学のあゆみ. 186. 208-209 (1998)
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[Publications] 八木聰明: "眼球運動三次元解析の重要性" 耳鼻臨床. 91. 873-879 (1998)
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[Publications] Yagi T: "Role of dorsal neck proprloceptive inputs to vestibular compensation in humans." J Nippon Mod Sch. 65. 291-297 (1998)