1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457470
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
田淵 昭雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90122431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波柴 礼恵 川崎医科大学, 医学部, 助手 (40278940)
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Keywords | 視覚障害 / 感覚統合訓練 / 前庭機能 / 前庭眼振 / 回転装置 / 先天眼振 / 異常眼球運動 |
Research Abstract |
急増している高齢者の中途重度視覚障害者(以下、障害者)および先天疾患による視覚障害児(以下、障害児)の中には、感覚統合訓練によって特異な眼球運動が改善され、同時に視力自体も改善される例がある。この感覚統合訓練を眼科的治療法として確立するために、感覚統合訓練の基礎的要素である前庭機能および平衡機能と眼球運動との関連を科学的に分析するのが研究の目的である。本年度は、まず、感覚統合訓練に用いる回転装置を作成し、その装置を用いて回転の速度、頻度および幅など、さまざまな条件下での前庭眼振を眼電図(EOG)法で記録を行った。今回用いた回転装置の原型は本来、耳鼻科領域で前庭機能を評価する目的で開発された装置であるため、視覚の障害者(児)の検査および感覚統合訓練用には新たなプログラム(ソフト)の開発を行った。すなわち、1.等加速度水平回転時の前庭眼振、2.等速水平回転時の前庭眼振、3.回転急激停止時の前庭眼振について、それぞれをコンピューター解析可能なプログラムを作成し、20歳代の正常成人および先天眼振を主体とした障害者(児)を対象に検討した。その結果、正常対照者においても1.-3.に種々のパターンを示すものがあり、系統的分類をする必要性があることが明らかとなった。先天眼振患者ではこれまで、特に3.の条件下での眼振発現の仕方に視力との相関があると考えられているが、この点についても再検討の必要性がある。また、他の異常眼球運動を伴う障害者(児)は、少なくとも正常対照とは異なったパターンを示すことから、何らかの前庭機能異常が直接あるいは間接的に惹起されていることが推定され、さらに件数を増やす必要がある。
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