1997 Fiscal Year Annual Research Report
消化管の成長と吸収能からみた短小腸におけるアルギニン投与の意義
Project/Area Number |
08457471
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
蛇口 達造 秋田大学, 医学部, 講師 (00124644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 裕顕 秋田大学, 医学部, 助手 (90182807)
加藤 哲夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20004963)
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Keywords | 広範小腸切除 / アルギニン / 成長因子 / 腸管の成長 / 吸収能 / 腎線維化 |
Research Abstract |
【目的】短小腸モデルでアルギニン(Arg)の腸管の成長と消化吸収能に及ぼす効果を検討した。【対象と方法】雄性、SD系4週ラットに90%小腸切除(回盲弁と回腸末端5cm温存)を施行後、代謝ケージに収容し、術後第1日目からエレンタールPを基本食とし、4日目から2群に分け、ArgかGlyを添加、等熱量、等窒素量になるよう調製、40Kcal/匹/日(50ml/匹/日:1群;Arg186mg、Gly30mg/日、2群;Arg86mg、Gly190mg/日)で6週間飼育した。3群(回盲弁から5cm口側で単吻合し、1群と同様に飼育)および4群(3群と同様単吻合し、2群と同様に飼育)を対照とした。群間はANOVA(p<0.05)で検定した。【結果】Arg添加群(1群、3群)とGly添加群(2群、4群)の順に、摂取総熱量(Kcal/6週):1533.6±76.1、1659.9±7.1、1616.8±78.7、1665.1±12.9(1群と3群又は4群、p<0.01)。体重(g):141.8±4.4、179.8±5.6、136.8±11.7、179.3±8.9(1と2群はNS、1群・2群と3又は4群p<0.0001)。残存回腸(cm):1群5.7±0.9、2群4.6±0.5(p<0.05)。尿素回路関連血漿アミノ酸とGly濃度(nmol/ml)は1と2群間ではGlyのみ差を認め、CitとArgは3週間目と異なり差を認めず吸収能の代償を示唆した。1群と3群ではCit(p<0.0001)、2群と4群では、Cit(p<0.0001)とArg(p<0.05)に差を認め、対照群間に差を認めなかった。組織学的検討で、Argを補充しなかった2群のみに腎の基底膜の肥厚と間質の線維化を認めた。【結論】6週間の検討でArgの小腸長に対する成長促進効果と吸収能の代償を認めた。腎の線維化は更に検討が必要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 蛇口達造: "小児期短腸症侯群の栄養管理と長期予後" JJPEN. 19・10. 949-949 (1997)
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[Publications] Hebiguchi T: "The effect of arginine supplementation on growth hormone release and intestinal growth after messlve small bowel resection in growing rats" J Pediatr Surg. 32・8. 1149-1153 (1997)
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[Publications] 蛇口達造: "成長因子を利用した短腸症候群の治療-消化管代償能と成長因子" 医学のあゆみ. 181. 504-505 (1997)