1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60089951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00014332)
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (40013940)
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Keywords | p53 / 癌抑制遺伝子 / ras / ゲルシフトアッセイ / トランスフォーメーション抑制能 / 転写活性 / p130 |
Research Abstract |
口腔癌発症の機構を解析するため、本邦とインドにおける癌遺伝子、癌抑制遺伝子の変異について、これまでの結果に加えてさらに比較検討し、以下の結果を得た。(1)癌関連遺伝子異常の検出。SSCP/オリゴヌクレチドプローブ法でインドのH-rasのコドン12の変異として3例のGGCからAGCへの変異に加えて予備的ではあったが3例のGCCへの変異を認めた。またHPV6/11、16/18をそれぞれ増幅できるプライマーでPCR増幅を行ったが、日本での14症例、インドでの48症例のいずれにも検出出来なかった。なお同じ条件で子宮頚癌では殆どの症例でHPVを検出できた。(2)インドの口腔癌で見つかったp53遺伝子変異149proをin vitro mutagenesis法で作成し、LTRとCMVベクターで発現させ3Y1細胞でのトランスフォーメション抑制能、Saos-2細胞でのコロニー形成能を調べたところ、野生型と同様の生物活性をもっていた。各種プロモーター,SV40初期遺伝子,DNAポリメラーゼβ、c-fos、βアクチン、HSP70のプロモーターに対して、低温(32.5C)では活性の抑制または非抑制、高温(37.5C)では活性化がみられ、これまでに報告した138val変異とは異なる性質の温度感受性変異株であった。従ってこれら遺伝子に対する転写活性化はトランスフォーム抑制能、増殖能の抑制には関与しない可能性が示された。(3)口腔偏平上皮癌細胞で固定した変異のうち220cysおよび285lys変異をSaos-2株に導入したところ、低温での増殖はほぼ停止しており、フローサイトメーターを用いて解析したところ、138val変異導入Saos2と同様G1期で停止していた。しかし138val変異導入細胞とは異なり、これらの細胞株でのG1停止にかかわるp130Rbファミリー蛋白質はほとんどがI型でII型はあったとしても少量であった。なおこれら2つの変異が検出された親株(NAとHOC313)の増殖も温度感受性であった。
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[Publications] Munirajan A K,Tsutsumi-ishii Y,Mohanprasad B K,Hirano Y,Munakata N,Shanmugam G & Tsuchida N.: "p53 gene mutations in oral carcinomas from India." Int.J.Cancer. 66. 297-300 (1996)
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[Publications] Takada S,Kaneniwa N,Tsuchida N & Koike K.: "Hepatitis B virus X gene expression is activated by X protein but repressed by p53 tumor suppresor gene product in the transient expression system." Virology. 216. 80-89 (1996)
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[Publications] Komiyama T,Matsumura K & Tsuchida N.: "Comparison between DNA copy number in original oral squamous cell carcinomas and their corresponding cel lines by comparative genomic hybridization." Jpn.J.Cancer Res.(in press.).
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[Publications] Koizumi,Y.,Tanaka,S.,Mou R.,Koganei,H.,Kokawa,A.,Kitamura,R.,Yamauchi,H.,Ookubo,K.,Saito,T.,Tominaga,S.,Matsumura,K.,Shimada,H.,Tsuchida,N. and Sekihara,H.: "Changes in DNA copy number in primary gastric carcinomas by comparative genomic hybridization." Clinical Cancer Res.(in press).