1997 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌細胞の増殖浸潤転移過程における間質改造現象の分子病理学的解析
Project/Area Number |
08457477
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
朔 敬 新潟大学, 歯学部, 教授 (40145264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米持 浩子 新潟大学, 歯学部, 助手 (60293213)
木村 信 新潟大学, 歯学部, 助手 (80251825)
程 珸 新潟大学, 歯学部, 助手 (40207460)
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Keywords | 口腔癌 / 細胞外基質 / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / ファイブロネクチン / インテグリン / プラズミン / MMP9 / 選択的スプライシング |
Research Abstract |
口腔癌細胞による細胞外基質の生合成とその分解酵素さらに細胞外基質分子の膜受容体の動態を間接蛍光抗体法と生化学的な蛋白質と遺伝子の発現定量法によって解析した。その結果、癌細胞の種類によって産生する細胞外基質の種類と量とが異なり、その分子における蛋白質のアミノ酸構成や糖付加の様式が異なっていることが判明し、これらの際が生体内での癌細胞の性格の一部を規定していることが示唆された。具体的には、臨床経過の緩慢な唾液腺腺様嚢胞癌由来ACC3細胞や低転移性舌扁平上皮癌由来ZK1細胞がヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)を多量に発現するのに対して、高転移性舌扁平上皮由来MK1細胞はそれを発現せず、受容体インテグリン(INT)の発現も低下していた。ファイブロネクチン(FN)については、ACC3とMK1による産生は高かったが、ZK1では発現されなかった。ACC3細胞の産生するFNには、EDAおよびEDB領域が挿入されていたがMK1のFNには選択的スプライシングによってそれらの領域が欠失した分子が合成されていた。分解酵素のうちプラズミンはACC3で生合成されたが、その他の細胞では発現せず、MMP9の発現はMK1で高くその他では低かった。INTα5、α2、β1に付加されるN結合型オリゴ糖鎖はMK1で約5KDa大きかった。異常より、細胞外基質の構造と代謝回転すなわち生体内における間質改造機転の違いが浸潤転移性に代表される臨床的経過に反映されることが証明された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Irie,T.et al.: "Intracellular transport of basement membrane type heparan sulfate proteoglycan in adenoid cystic carcinoma cells of salivary gland origin." Virchows Archiv. 432. in press (1998)
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[Publications] Ono,Y.et al.: "Vascular invasion O-IN, hamster squamous cell carcinoma with high potential of lymph node metastasis: ultrastructural comparison between lymphatics and blood vessesls." Pathology Internatioanal. 48. in press (1998)
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[Publications] Saku,T. et al.: "Salivary gland tumors among Atomic Bomb Survivors,1950-1987" Cancer. 79. 1465-75 (1997)
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[Publications] Murata,M. et al.: "Dynamic distribution of basic fibroblast growth factor during epulis formation: an immunohistochemical study in an enhanced healing process of the gingiva." Journal of Oral Pathology & Medicine. 26. 224-32 (1997)
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[Publications] 小谷野義久: "口腔扁平上皮癌細胞の細胞外基質とその分解酵素の生合成と転移能" 日本病理学会会誌. 86. 219 (1997)
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[Publications] 平 周三 他: "唾液腺腺様嚢胞癌ACC3細胞の細胞外基質代謝に対するスラミンの影響" 日本病理学会会誌. 86. 219 (1997)
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[Publications] 木村 信 他: "唾液腺腺様嚢胞癌ACC3細胞の産生するヘパラン硫酸プロテオグリカンの分解" 歯科基礎医学会雑誌. 39. 479 (1997)
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[Publications] 平 周三 他: "スラミンによる腺様嚢胞癌ACC3細胞の細胞外基質分子沈着障害" 歯科基礎医学会誌. 39. 479 (1997)