1997 Fiscal Year Annual Research Report
新たに単離した肥大軟骨細胞特異的遺伝子hcs-24の内軟骨性骨化における役割
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08457490
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
滝川 正春 岡山大学, 歯学部, 教授 (20112063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 高子 岡山大学, 歯学部, 助手 (00228488)
高橋 浩二郎 岡山大学, 歯学部, 助教授 (00144775)
中西 徹 岡山大学, 歯学部, 助手 (30243463)
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Keywords | 軟骨細胞 / 血管内皮細胞 / HCS-2 / 8細胞 / 内軟骨性骨化 / レセプター / 結合組織増殖因子(CTGF) / リコンビナントCTGF / 神経細胞 |
Research Abstract |
1)hcs-24をHCS-2/8細胞に導入して過剰発現させると同細胞の増殖能の亢進がみられた。 2)高純度に精製した組換えヒトCTGF(hcs-24の遺伝子産物と同一)をマウスに免疫し、ヒトCTGF/Hcs-24と反応するだけでなくマウスCTGFにも交差反応を示す2種類のモノクローナル抗体を得た。これらの抗体を用いて、ヒトおよびマウスのCTGF/Hcs-24を高感度で定量可能なサンドイッチELISA法を確立した。 3)抗CTGF/Hcs-24ペプチド抗体を用いて各種組織を免疫染色したところ、大脳皮質のニューロンやアストログリアも染まり、関節炎の関節軟骨表層とクラスター形成部位が染まった。 4)マウス胎児の発育課程ではhcs-24/ctgfの遺伝子発現は胎生7日目で最大となりその後低下して21日で再び上昇した。 5)HCS-2/8細胞を材料源として抗ペプチド抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーでnativeなCTGF/Hcs-24を精製した。 6)昆虫細胞-バキュロウイルス系およびヒト細胞(HeLa細胞)を用いてリコンビナント蛋白発現系を確立した。 7)精製CTGF/Hcs-24およびリコンビナント蛋白が、軟骨細胞の増殖を促進し、プロテオグリカン合成およびアルカリホスファターゼ活性を上昇させることを見出した。さらに、血管内皮細胞の増殖と遊走を亢進させることも見出した。 8)リコンビナント蛋白を^<125>Iで標識し、軟骨細胞に対する結合実験およびクロスリンク実験を行い、培養軟骨細胞にHCS-2/8細胞に特異的レセプターが存在することを見出した。また、ウサギ肋軟骨培養軟骨細胞増殖・分化系を用いてレセプターが増殖期に多く分化に伴って減少することが判明した。 9)hcs-24遺伝子のトランスジェニックスマウスを作成するのに成功した。
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[Publications] Nakanishi,T.: "Cloning of a mRNA preferentially expressed in chondrocytes in differential display PCR from a human chondrocytic cell line that is identical with connective tissue growth factor (CTGF) mRNA." Biochem.Biophys.Res.Commun.234. 206-210 (1997)
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[Publications] 滝川正春: "基礎からみた整形外科領域のサイトカイン" 整形・災害外科. 41. 3-12 (1998)
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[Publications] 滝川正春: "内軟骨性骨形成に最も重要な新規成長因子CTGF" 細胞工学. 17. 357-362 (1998)