1997 Fiscal Year Annual Research Report
味覚情報変換における味細胞のイオンチャネルとセカンドメッセンジャーの分子機構
Project/Area Number |
08457491
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐藤 俊英 長崎大学, 歯学部, 教授 (60013968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤山 理恵 長崎大学, 歯学部, 助手 (10274664)
宮本 武典 長崎大学, 歯学部, 助手 (10167679)
岡田 幸雄 長崎大学, 歯学部, 助教授 (60136687)
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Keywords | 味細胞 / アミロライド感受性Na^+チャネル / パッチクランプ法 / cAMP / IP_3 / 基底外側膜 / K^+チャネル / Gタンパク質 |
Research Abstract |
1.マウス味細胞はアミロライドに感受性を有するものと無いものが存在する。アミロライド感受性味細胞はアミロライド処理によってNaClの応答を抑制するが、アミロライド非感受性味細胞はアミロライドでNaCl応答を抑制しない。 2.マウス味細胞のHCIの応答は、アミロライド感受性及び非感受性味細胞もアミロライドで抑制されない。 3.したがって、NaCl中のNa^+はアミロライド感受性Na^+チャネルを通り細胞内に流入して脱分極応答を発生する。酸のH^+はアミロライド感受性Na^+チャネルを通過しない。 4.甘味刺激の糖類を与えると、マウス味細胞の遅延整流性K^+電流は抑制される。cAMPを味細胞に注入するとK^+電流は抑制され脱分極が発生する。このことから糖の受容体への結合は、Gタンパク質・アデニレートシクラーゼの活性化を起こし、cAMPのセカンドメッセンジャーを発生し、プロテインキナーゼAを介してK^+チャネルを閉口するといえる。 非糖類のアミノ酸系のフェニルアラニンなどで刺激すると味細胞にCa^<2+>依存性K^+電流が生じ、外向きK^+電流は増大する。イオノマイシンの投与で同様にK^+電流は増大する。この時、味細胞内Ca^<2+>が増大することは、Ca^<2+>量の画像処理で解析できた。このことから、アミノ酸系の甘味刺激はIP_3を産生し小胞体からCa^<2+>の遊離を起こすといえる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sato,T.,et al.: "Broad tuning of rat taste cells for four basic taste stimuli." Chem.Senses. 22. 287-293 (1997)
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[Publications] Uchida,Y.,et al.: "Intracellular calcium increase in gerbil taste cell by amino acid sweeteners." Chem.Senses. 22. 83-91 (1997)
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[Publications] Uchida,Y.,et al.: "Changes in outward K+ currents in response to two types of sweeteners in sweet taste transduction of gerbil taste cells." Chem.Senses. 22. 163-169 (1997)
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[Publications] 佐藤 昌康ら: "最新 味覚の科学" 朝倉書店, 251 (1997)