1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457508
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSTIY |
Principal Investigator |
赤峰 昭文 九州大学, 歯学部, 教授 (00117053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 康治 九州大学, 歯学部, 助手 (00170473)
平田 昌子 九州大学, 歯学部, 助手 (10153769)
中牟田 博敬 九州大学, 歯学部, 講師 (20117188)
|
Keywords | プロテアーゼ / カテプシンD / カテプシンE / 骨吸収 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
歯科治療において骨組織に関する研究を深めておくことは、治療方針や治癒機転を検討していく上で、多くの選択技を提供することができる。そこで、今回骨吸収を行う破骨細胞に着目し、その分化マーカーを得るためにモノクローナル抗体を作成した。次にその抗体の認識する抗原について解析を行い、近年、破骨細胞の分化とライソゾーム酵素(特にカテプシン群)との関連性が報告されており、その局在およびカテプシンEについての検討も行った。 1.破骨細胞の分化に関連したモノクローナル抗体の作成 in vitroで形成した多数の破骨細胞様細胞を抗原として体外免疫法にてモノクローナル抗体の作成を行った。その結果、骨では骨髄細胞に対しての反応は示さず、破骨細胞、骨芽細胞及び骨細胞の核に対して反応する抗体MN-26が得られた。そこで、造血系幹細胞由来の破骨細胞は分化に伴ってMN-26抗原を発現してくるものと思われる。現在、腎臓を用いて抗原の分子量の測定を行っている。 2.破骨細胞の機能を調節する骨芽細胞におけるカテプシンDの局在についての検討 破骨細胞の分化は、骨芽細胞との接触によって行われることが明らかになっているが、その詳細については不明な点が多い。そこで今回、破骨細胞の分化を調節しているとされる骨芽細胞におけるカテプシンDの発現とその局在について検討を行った。その結果、カテプシンDは細胞内に取り込まれたPTHを分解し、刺激することによって骨芽細胞は破骨細胞の分化を調節する重要な働きを有している可能性が示唆された。 3.単量体あるいは2量体カテプシンE(CE)の生化学的特性 CEは、十分に触媒作用を持った2つの単量体がS-S結合した2量体の唯一のアスパラギン酸プロテアーゼである。そこでCEの2量体形成の生理学的意義について検討するために、この単量体の特性と2量体との比較を行った。その結果、CEの2量体形成は活性や細胞内局在、糖鎖の修飾といった特性に関しては必ずしも必要ではないが、生体内での分子の構造上の安定化には重要であることが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Tsukuba T.,Sakai H.,Yamada M.,Maeda H.,Hori H.,Azuma T.,Akamine A.,and Yamamoto K.: "Biochemical properties of the monomeric mutant of human cathepsin E expressed in chinese hamster ovary cells:comparison with dimeric forms of the natural and recombinant cathepsin" E.J.Biochem.119・1. 126-134 (1996)