1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しい酸化ストレス誘導性タンパクを用いた再建術後生着予想マーカーの開発
Project/Area Number |
08457540
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉田 廣 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80014330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 哲郎 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (20111370)
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Keywords | 酸化ストレス / ストレスタンパク質 / ヘムオキシゲナーゼ / A170 / MSP23 / 口腔癌 |
Research Abstract |
前年度までに酸化ストレスタンパクに関して(1)A170タンパク質をコードするcDNA全長の決定(2)A170タンパク質組み換え体と抗体の製作(3)A170タンパク質およびmRNAレベルのストレス応答の解析(4)細胞内A170の局在の確認(5)A170をリン酸化するキナーゼの検出・同定(6)ユビキチン・プロテオソーム系等の転写後の調節をうけていること可能性(7)ラットによる虚血モデルをつかい脳虚血によるA170の誘導を調べた。(8)A170をリン酸化するキナーゼの同定をおこないゲル内リン酸化法によってえられるリン酸化酵素が、分子サイズ、抗体との交差性、薬理学的特性からカゼインキナーゼIIであることを示した。また、(9)誘導の仕組みがユビキチン・プロテオソーム系等の転写後の調節をうけていること可能性を示した。さらには、(10)ラットによる虚血モデルをつかい脳虚血によるA170の誘導を調べた。(11)タンパクの制御が特定の転写因子によることをNrf2ノックアウトマウスの実験で確認した。 今年度は、これらの知見をもとに、基礎的実験をより深めるとともに、抗体を用いて臨床への応用を検討し、(1)酸化ストレスタンパクと手術標本での発現をしらべ、MSP23およびヘムオキシゲナーゼは健常組織で一部発現が確認された。さらに(2)腫瘍組織との関係も調べへムオキシゲナーゼ、MSP23については癌組織における発現の程度が異なることが観察され、酸化ストレスタンパクと臨床症状と関わり合いについての知見を得た。これらにより酸化ストレスタンパクをマーカーとしての利用することの可能性を本研究で評価することができた。
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