1996 Fiscal Year Annual Research Report
生体力学的観点からみた歯列・顎骨形態と顎関節機能異常発現との関連について
Project/Area Number |
08457545
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
山口 好則 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (30158125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 光伸 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60220026)
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Keywords | 顎関節機能異常 / 生体力学的 / MRI |
Research Abstract |
顎顔面形態、咬合異常と顎関節機能異常との関連性についてのこれまでの一連の研究では、特定の顎顔面形態と顎関節機能異常との間には有意な関連は見いだせなかったものの、顎関節機能異常者には機能的咬合異常や咬顎嵌合位が機能的に規制される咬合位が存在し、これらが顎関節機能異常発症の一因となることが示唆され、顎関節窩での下顎頭の荷重ベクトルが顎関節機能異常発現に何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられた。今回、これらの研究結果をさらに発展させるべく、顎骨形態、咬合の変化と筋機能の変化が、いかに顎関節部に変化をもたらしているかを明らかにするとともに、顎関節周囲の荷重、応力変化について下顎骨、側頭骨下顎窩、円板および筋活動を想定した有限要素モデルを用いた生体力学的シュミレーションにより歯列・顎骨形態と顎関節機能異常発現との関連を検討することとしている。これまで、初年度の研究予定である患者群病態の把握は、顎関節機能異常者を対象に、各患者の臨床症状の把握とともに、顎骨形態、顎関節部の検討として頭蓋顎顔面骨の形態異常の検討ならびに下顎安静位、開口位での関節円板および周囲組織についてMRIによる病態の把握を行ってきている。今後さらに頭部X線規格断層写真撮影装置による規格顎関節写真を行い、Bell-Yamaguchiの方法に準じて、安静位、開口位での顎関節窩での下顎頭の位置関係について検討を行う予定。また一方、三次元有限要素モデルは、成人男女別に側貌頭部X線規格写真をもとに関節円板を介した下顎頭ならびに下顎窩を二重構造(緻密骨層、海綿骨層)と想定して作成、さらに上顎骨、側頭骨による支持を想定した筋力と荷重を与えた三次元有限要素法モデルを作成するが、現在この基礎モデルして二次元生体顎骨モデルを作成中である。
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