1998 Fiscal Year Annual Research Report
生体力学的観点からみた歯列・顎骨形態と顎関節機能異常発現との関連について
Project/Area Number |
08457545
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
山口 好則 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (30158125)
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Keywords | 顎関節機能異常 / 生体力学的 / MRI |
Research Abstract |
今年度の研究は、外科的矯正治療による顎骨形態、咬合ならびに顎機能の変化が顎関節部に及ぼす影響についての長期経過を検討するとともに、顎関節周囲の応力分布、応力変化を明らかにするため、下顎骨、側頭骨下顎窩、円板および筋活動を想定した有限要素モデルを用いた生体力学的シュミレーション実験により解析を行い、咬合・顎骨形態と顎関節機能異常発現との関連を検討することにある。この結果、顎関節機能異常を有する顎変形症患者に用いた歯科矯正治療ならびに顎矯正手術(下顎枝垂直骨切り術)による咀嚼筋、顎骨を含めた咬合の再構築は、比較的長期の臨床経過成績においても明らかな症状の改善を示した。また顎関節MRIによる関節円板の観察により、比較的高い円板復位の所見が認められ、長期経過においても、これらが維持されている所見が得られた(第14回国際顎顔面口腔外科学会(1999.4)発表予定、投稿準備中)。一方、顎関節への応力分布、応力変化に関する三次元有限要素モデルによる生体力学的シュミレーションモデル実験はCT画像と高速医療有限要素モデル自動生成プログラムを用い、実験モデルを作成、三次元線形応力解析により咬合力の位置、荷重の違いによる顎関節部での応力の発現とその分布について検討を行った。その結果、下顎頭前方ならびに側方部に応力の集中が認められた。さらに下顎非対称、下顎後退症の顎骨形態モデルを作成し、下顎骨形態の違いによる応力分布の相違・応力変化についての解析を行った。現在この解析結果を総合的に検討するとともに円板転位、下顎頭変形との関連についても検討を加えている(第81回米国顎顔面口腔外科学会(1999.9)発表ならびに投稿準備中)。
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