1996 Fiscal Year Annual Research Report
鎮痛作用、抗不安作用に関するNitric Oxideの脳内情報伝達物質としての役割
Project/Area Number |
08457551
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鮎瀬 卓郎 長崎大学, 歯学部附属病院, 助教授 (20222705)
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Keywords | 痛み / 不安 / 脳内物質 / Nitric Oxide |
Research Abstract |
本研究は鎮痛作用、抗不安作用に関するNitric Oxideの脳内情報伝達物質としての役割を調べるのが目的である。 研究初年度ではラットの脳内Microdialysis法を用いて、Nitric Oxideを無拘束で高速液体クロマトグラフィにより測定するシステムを構築し、測定精度を確立するのを目的とした。備品としてエイコム社製の酸化窒素分析装置(ENO-10)を設置し、機器の整備・調整さらに実験環境も整い予備実験を開始した段階である。 予備実験では当教室で使用しているラッコのコンフリクト・モデルを使用して行い、飲水時に与えられる電撃ショックに対する不安などの情動変化が、脳内Nitric Oxideの産生にどのような影響を与えるかを研究している。その結果、痛みを伴うような強いストレスに対して脳内Nitric Oxideが他のモノアミン系のneurotransmitterと相互的に作用している可能性が示唆された。すなわち当教室の研究から、海馬におけるセロトニン活性の変化が情動の変化に深く関与していることを示したが、この中でNitric Oxideなどのように細胞膜を自由に拡散できるガス体の情報伝達物質が中間物質として局所の素早い反応を調節している可能性がでてきた。今後は、いくつかの異なる条件下でNitric Oxideとセロトニンなどの脳内物質を同時に測定し、各物質の取り込み阻害剤などの影響を検討しつつ、脳内で情報伝達物質がどのように相互作用しているかを検討していく方針である。
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