1996 Fiscal Year Annual Research Report
口腔前癌病変の癌化過程における細胞周期とアポトーシス
Project/Area Number |
08457554
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
南雲 正男 昭和大学, 歯学部, 教授 (70013993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (70233939)
岩瀬 正泰 昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
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Keywords | 白板症 / 細胞周期 / サイクリン / サイクリン依存性キナーゼ / P21 / Waf1 / Tunel法 / P53遺伝子欠失マウス / アポトーシス |
Research Abstract |
白板症、口腔癌から生検あるいは切除材料を用い、G1期サイクリンおよびサイクリン依存性キナーゼ(CDK)、P21/Waf1の発現を検討するとともに、P53遺伝子欠失マウスの口腔粘膜上皮角質細胞の増殖能、細胞周期について検討し以下の結果を得た。 1サイクリンD,EおよびCDK2,4は、正常口腔粘膜上皮にはほとんど発現がみられなかったが、白板症では上皮異形成が高度になるにつれ発現が強くなっていた。そして口腔癌組織ではより強い発現がみられた。 2P21/Waf1は、正常口腔粘膜上皮および口腔癌組織には発現がみられず、高度上皮異形成示す白板症でその発現が認められた。 3Tunel法での陽性細胞は、正常口腔粘膜上皮で最も多く認められ、白板症で上皮異形成が高度になるにつれて、少くなる傾向がみられた。口腔癌組織では更に陽性細胞の数が減少していた。 4P53遺伝子欠失マウスの口腔粘膜上皮角質細胞の増殖能は、正常マウスのそれと比較して亢進していた。また、正常マウス口腔粘膜上皮角質細胞は培養1週間目頃より増殖しなくなるのに対し、P53遺伝子欠失マウスの上皮角質細胞は培養後2週間を経過しても増殖する事が明らかになった。Flow cytometerで細胞周期を検索したところ、G1期の細胞数が減少していた。 以上の結果から、癌化の過程においてはG1期チェックポイントの制御機構からの逸脱が起こり、それに伴ってアポトーシスの抑制が生じることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中村雅子: "白板症の免疫組織化学的検討-上皮異形成とTGF-α発現との関連-" 日本口腔粘膜学会雑誌. 2(1). 49-53 (1996)
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[Publications] 油井久美恵: "口腔白板症における喫煙と細胞増殖マーカーとの関連について" 日本口腔粘膜学会雑誌. 2(2). 90-94 (1996)
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[Publications] Sumitani K.: "Cytotoxic effect of sodium nitroprusside on Cancer cells : Involodement of apoptosis and suppresion of C-MYC and C-MYB proto-oncogene expression." Anticancer Research. 17(1)(in press). (1997)
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[Publications] Ito D.: "Altered growth response of Oral mucosol keratinocytes in p53-deficient mice" Journal of Investigative Delmatology. (in press). (1997)