1998 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペスウイルス型の潜伏感染に関する臨床的ウイルス学的研究
Project/Area Number |
08457561
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
亀山 忠光 久留米大学, 医学部, 教授 (00080937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 寛 久留米大学, 医学部, 助手 (10248453)
寺崎 伸一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (70227510)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス1型 / 重複潜伏感染 / 感染ウイルス / 無症候性排出ウイルス / 増殖曲線 / DNAパターン |
Research Abstract |
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の重複潜伏感染の存在を明らかにする目的で,HSV-1の野生株をマウスに接種し,潜伏感染を起こさせた後,再活性化ウイルスと接種ウイルスのDNAパターンを比較した. また,感染ウイルスと排出ウイルスの生物学的性状に差があるかどうかを知る目的で,両ウイルスの増殖曲線を比較した. BALS/Cオスマウスを使用し,感染症からの分離株2種類(M2951,M3775)と唾液中への無症候性排出ウイルス分離株2種類(Q535,Q1368)を8群に分け接種した. ウイルス接種はマウスの右角膜に26Gの針にて基盤の目状に傷をつけ,その上に8.5×10^7PFU/mlのウイルス液を一滴落とし,上眼瞼をピンセットにて持ち上げ,液を包み込むようにして接種した.複数株接種の折りは,左右角膜に同じように行った. ウイルス接種時から1ヶ月後に両側三叉神経節を採取し,explant culterを行い,1週目と2週目の活性化ウイルスにつきDNAを抽出し,BamHI,SalIにて切断し,各群別に接種ウイルスと活性化ウイルスの切断パターンを比較した. また,増殖曲線については感染症ウイルス7株と排出ウイルス6株で,0.2ml中5PFU/cellとなるようウイルスを調整し,GMK細胞に接種後,37℃のwater bathに入れ24時間保温した.以後3時間毎に各株毎に小角3本づつ凍結して行き,各時間毎のウィルスの定量を行い,増殖曲線を描いて比較検討した. その結果,角膜接種でも皮膚接種同様,混合株同時接種では潜伏感染を起さず,左右別では反対側への潜伏感染は確認されず,重複潜伏感染を確認するには至らなかった.また,増殖能の比較では感染ウイルス株が15時間,排出ウイルス株が18時間でピークに達し,その後の減少率にも違いが見られ,生物学的性状に差があることが示唆された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小嶺 徹,他: "単純ヘルペスウイルス1型初感染後の再発病態を観察した2症例" 日本口腔科学会雑誌. 47・3. 392-396 (1998)
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[Publications] Tadao Kobayashi,et al.: "Brush cytology of herpes simplex virus infection in oral mucosa : use of the ThinPrep Processor" Diagnostic Cytopathology. 18. 71-75 (1998)
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[Publications] Yumiko Nagao, et al.: "Hepatitis C virus RNA detection in oral lichen planus tissue" Am.J.Gastroenterol.93. 850-850 (1998)