1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457576
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
梅村 幸生 奥羽大学, 歯学部・歯科矯正学講座, 講師 (80151934)
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Keywords | 咬筋剥離 / 外科的矯正治療 / 萎縮 / 筋機能回復 / ラット |
Research Abstract |
外科的矯正治療に伴う咬筋剥離後の筋肉の回復の状態を観察する目的で、生後120日齢のWistar系Crjラットの咬筋剥離実験を行い、以下の結論を得た。 1.Ope側はcontrol側と比較した場合、壊死線維などの病的知見は認めなかったが、各週齢すべて筋線維の萎縮が認められた。 2.Control側は各週齢すべてに筋線維は支持組織に取り囲まれており、正常構造を保ち、形態や配列も整い横紋は鮮明で異常な所見は認められなかった。 3.手術後1週齢の咬筋線維の直径を計測した結果、ope側は平均値37.3um(S.D.6.0)で、control側では平均値62.7um(S.D.19.6)で、ope側がcontrol側より小さく1%の危険率をもって有意差が認められた。 4.手術後2週齢の咬筋線維の直径を計測した結果、ope側は平均値42.3um(S.D.9.1)で、control側では平均値73.5um(S.D.15.3)で、ope側がcontrol側より小さく1%の危険率をもって有意差が認められた。 5.手術後3週齢の咬筋線維の直径を計測した結果、control側は平均値103.4um(S.D.17.2)で、ope側では平均値60.8um(S.D.15.4)で、ope側がcontrol側より小さく1%の危険率をもって有意差が認められた。 6.手術後4週齢の咬筋線維の直径を計測した結果、control側は平均値81.4um(S.D.14.9)で、ope側では平均値61.4um(S.D.13.3)で、ope側がcontrol側より小さく1%の危険率をもって有意差が認められた。 以上の結果より、臨床で実施している外科的矯正治療に伴う咬筋剥離は、術後1年ないし2年程度では、筋肉の回復は認められず、比較的長期間を要し、臨床的には術後に筋肉の機能回復を目的としたトレーニングを実施することが必要であると推察した。
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