1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴崎 正勝 東京大学, 薬学部, 教授 (30112767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 孝義 東京大学, 薬学部, 助手 (80272483)
笹井 宏明 東京大学, 薬学部, 助教授 (90205831)
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Keywords | 触媒的不斉合成 / アルドール / パラジウム / シリルエノールエーテル / BINAP |
Research Abstract |
々の見出したPdCl_2(BINAP)錯体と銀塩から調整される触媒は、シリルエノールエーテルとアルデヒドの間の触媒的不斉アルドール反応に有用である。5mol%の触媒量で対応するアルドール体を70%以上の光学純度(最高87%ee)で収率良く得ることができる。また、通常のルイス酸触媒による触媒的不斉合成には適さないDMFが溶媒として最も良く、水の存在下でも反応が進行するなど多くの特徴を有した触媒でもある。銀塩はカチオニックなパラジウム錯体を生成させているものと考えられ、銀塩の効果を精査したところ、パラジウムに対し2当量の銀塩を用いることで、最大の反応速度が得られることを見出した。種々のNMR実験に基づき当初我々は、活性種を光学活性ヒドロキシパラジウム錯体であろうと考えた。しかし、系中で調製した錯体とほぼ同等の触媒活性を有する錯体を化学的に安定で取り扱い容易な結晶として単離することに成功し、X線結晶構造解析を行い、水分子がパラジウム上に配位した水分子の配位したパラジウム錯体であることを初めて明かにした。この結果は、本反応が水の存在下でも適用可能であるという先の実験結果と非常に良く適合する。以上のように、本年度は触媒活性の構造を決定するとともに、反応の最適化を行い、既存の不斉ルイス酸触媒には見られない特徴を有する実用的な反応とすることができた。 また、付随的な成果として、本錯体が触媒的不斉Diels-Alder反応にも有用であることも見出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 袖岡 幹子: "Catalytic Asymmetric Aldol Reaction via Chiral Pd(II)Enolate in Wet DMF" J.Org.Chem.60. 2648-2649 (1996)
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[Publications] 袖岡 幹子: "Stable Diaqua Palladium(II)Complexes of BINAP and Tol-BINAP as Highly Efficient Catalysts for Asymmetric Aldol Reactions" Synlett inpress. (1997)