1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457582
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福山 透 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10272486)
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Keywords | インドールアルカロイド / タベルソニン / ビンカディフォミン / ビンドリン / ビンブラスチン / イリニトリル / スルホンアミド |
Research Abstract |
独自に開発したイソニトリルのラジカル反応によるインドールの合成法を利用した(-)-tabersonineの全合成を完了することができた。 インドール部分の合成は以下のように行った。ο-ヨードホルミルアニリドとプロパルギルアルコールとの薗頭反応につづく数段階でイソニトリル誘導体を合成し、スタニルラジカルを用いるインドール合成法によりスタニルインドールを得た。ヨウ素への置換、インドール窒素をBocで保護した後、トリブチルスタニルアクリレートとのStilleカップリングにより2位を置換し、最後にアセチル基を脱保護しインドールアルコールを得た。 一方、2,4-ジニトロベンゼンスルホンアミドで保護したキラルなアミン部分は、D-マンニトールより容易に誘導可能なジオールより導いた光学活性なラクトールを経て合成した。このものとインドール部位の一級アルコールとを光延反応により縮合した後、TFA処理によりラクトールとした。次に、この基質をアセトニトリル中カリウムフェノキシドで処理したが、目的とする14-β-hydroxyvincadifformineは得られなかった。本反応行程を種々検討したところ、ピロリジン存在下MeOH/MeCN(5/1)溶液中加熱すると目的とする化合物が単一化合物として得られることが判明した。最後に脱水反応を行い、(-)-tabersonineの合成を完了した。得られた化合物の各種機器データは文献値と一致しており、新規なスタニルラジカルを利用したインドールの合成法を鍵反応とする効率的な合成経路を構築することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Fukuyama and G.Liu: "Stereocontrolled Total Synthesis of (±)-Gelsemine" Journal of The American Chomical Society. 118・31. 7426-7427 (1996)
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[Publications] T.Fukuyama and G.Liu: "Stereocontrolled Total Synthesis of (±)-Gelsemine" Pure and Applied Chemistry. 69・3. 501-505 (1997)
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[Publications] T.Fukuyama, M.Cheung.C, -K.Jow, Y.HIdai, T.Kan: "2,4-Dinitrobenzenesulfonamides:A Simple and Practical Method for the preparation of Secondary Amines and Diamines" Tetrahedron Letters. 38・33. 5831-5834 (1997)