1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規超原子価ヨウ素試薬の開発と生物活性天然物の立体選択的合成への応用
Project/Area Number |
08457584
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北 泰行 大阪大学, 薬学部, 教授 (00028862)
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Keywords | 超原子価ヨウ素試薬 / フェノールカップリング反応 / インドロキノンイミン類 / 含硫黄discorhabdin類 / α-位アジド化 / makaluvamine F |
Research Abstract |
新規超原子価ヨウ素試薬の開発と生物活性天然物の立体選択的合成への応用を目指して、ルイス酸活性型超原子価ヨウ素試薬phenyliodine(III)bis(trifluoroacetate)(PIFA)-BF_3・Et_2OやPIFA-TMSOTfを用いて種々のフェノールエーテル類の分子内反応による各種生物活性天然物の必須部分構造の合成研究を行い、以下の成果を得た。1、我々は昨年度、PIFA-BF_3・Et_2Oによるフェノールカップリング反応によるヒガンバナアルカロイド類の基本骨格の収率の良い合成法の開発に成功したが、平成9年度は本法を応用したビアリールカップリングによる多置換ビフェニル化合物の効果的な合成法を確立した。2、先に開発したPIFA-TMSOTfを用いるアルキルアジド側鎖を有するフェノールエーテル類からキノンイミン類への短工程変換法が、多くの海洋アルカロイド類の必須構造であるインドロキノンイミン類の合成にも応用可能であることを見出した。(J.Chem.Soc.,Perkin Trans 1,1998)3、N,S-アセタール骨格は強力な細胞毒性と特異な構造を有する含硫黄discorhabdin類の必須構造であるが、その効果的な一般合成法はほとんど知られていない。我々は含硫黄discorhabdin類の全合成を目指しジヒドロベンゾチオフェン類の硫黄原子α-位のアジド化によるN,S-アセタール部分の構築を検討した。その結果、超原子価ヨウ素試薬PhI=O-TMSN_3を用いると従来法を用いた窒素官能基の導入反応で容易に芳香化する基質においても収率良くα-位アジド体が得られることが分かった(Chem.Commun.,1998)。現在、これらの知見に基づき、含硫黄discorhabdin類の1つmakaluvamineFの不斉全合成研究を遂行中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tohma,Hirofumi: "A novel and direct α-azidation of cyclic sulfides using a hypervalent iodine (III) reagent" Chem.Commun.173-174
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[Publications] Kita,Yasuyuki: "A novel and efficient synthesis of pyrroloiminoquinones using a hypervalent iodine (III) reagent" J.Chem.Soc.,Perkin Trans 1. (in press).