1996 Fiscal Year Annual Research Report
活性型コンフォメーションに構造規制されたHIVプロテアーゼ阻害剤の分子設計と合成
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08457588
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木曽 良明 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40089107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 徹 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (70204980)
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Keywords | HIVプロテアーゼ阻害剤 / 酵素阻害剤複合体 / 基質遷移状態誘導体 / ペプチド合成 / コンフォンメーション解析 / X線結晶構造解析 / 薬剤耐性ウイルス / 抗エイズ薬 |
Research Abstract |
我々は,エイズの原因ウイルスであるHIVプロテアーゼの阻害剤の基質遷移状態コンセプトを基盤として分子設計を行ない,酵素と阻害剤の結合に必要な最小阻害活性部位の探索や高い酵素阻害活性を持つ化合物(KNI-272)の合成に成功した.この成功は,酵素反応のメカニズムに着目して,酵素・基質複合体および酵素・阻害剤複合体のコンフォメーションを解析し,酵素分子活性中心の基質遷移状態のコンフォメーションを固定したミミックをデザインするという新しく論理的な方法を用いたことによるところが大きい.この方法をさらに発展させて,活性型コンフォメーションに構造規制された阻害剤の分子設計と合成を行った. 1.変異HIVプロテアーゼの合成 変異HIV-1プロテアーゼにおいて84位IleがValに置換されており,3次元構造からこれはP1ならびにP1'と相互作用していることがわかっているので,84位をValに変換した誘導体を合成し酵素活性を検討した. 2.HIVプロテアーゼ活性部位誘導体の合成. 基質との相互作用に関与している25位アスパラギン酸をイソステリックなアミノ酸に変換した誘導体を合成した.HIVプロテアーゼは二量体として働くので,もとの酵素とイソステリック誘導体との組み合わせ,イソステリック誘導体のみの組み合わせについても検討した. 3.阻害剤の合成 遷移状態誘導体の概念に基づいてレトロウイルスに特徴的な基質の切断部位Phe-ProおよびTyr-Pro(P1-P1')のアミド結合をイソステリックな還元型,ヒドロキシエチレン型,ジヒドロンキシエチレン型等に変換し,各基質遷移状態誘導体を合成した.さらに,リジドな構造を持つペプチド誘導体をデザインし,合成した. 4.NMRと分子モデリングにより,コンフォメーション解析および酵素と基質複合体の構造解析を行った. 5.複合体形成と解析.X線解析,NMRによりこの酵素蛋白とインヒビターの複合体の構造解析を行い,相互作用に水分子が重要な役割をはたすこと,高活性阻害剤のコンフォメーションが制約されていることを見いだした.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshiaki Kiso: "Disign and synthesis of substrate-based peptidomimetic HIV protease inhibitors containing the hydroxymethylcarbonyl isostere." Biopolymers. 40・2. 235-244 (1996)
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[Publications] 木曽良明: "AIDS治療薬としてのHIVプロテアーゼ阻害薬-変異ウイルスと人類の共生は可能か-." 医学のあゆみ. 177・13. 962-968 (1996)
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[Publications] Yun-Xing Wang: "Solution NMR Evidence That the HIV-1 Protease Catalytic Aspartyl Groups Have Different Ionization States in the Complex Formed with the Asymmetric Drug KNI-272." Biochemistry. 35・31. 9945-9950 (1996)
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[Publications] Yasushi Ohno: "Solution conformations of KNI-272,a tripeptide HIV protease inhibitor designed on the basis of substrate transition state : Determined by NMR spectroscopy and simulated annealing calculations." Bioorg.Med.Chem.4・9. 1565-1572 (1996)
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[Publications] Yun-Xing Wang: "Bound water molecules at the interface between the HIV-1 protease and a potent inhibitor,KNI-272,determined by NMR." J.Am.Chem.Soc.118・49. 12287-12290 (1996)
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[Publications] A.Kiriyama: "Binding characteristics of KNI-272 to plasma proteins,a new potent tripeptide HIV protease inhibitor." Biopharmaceut.Drug Disp.17・9. 739-751 (1996)