1997 Fiscal Year Annual Research Report
D-アミノ酸の高感度一斉分離分析法の確立とその哺乳類体内分布・動態に関する研究
Project/Area Number |
08457592
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 一洋 東京大学, 薬学系研究科, 教授 (50012620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 健 東京大学, 薬学系研究科, 助手 (00272485)
三田 智文 東京大学, 薬学系研究科, 助手 (30187306)
本間 浩 東京大学, 薬学系研究科, 助教授 (50190278)
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Keywords | D-アスパラギン酸 / 松果体 / NBD-F / HPLC / 光学活性固定相 / 抗D-アスパラギン酸抗体 |
Research Abstract |
我々は既にラット松果体にD-アスパラギン酸が高濃度に存在することを明らかにしたが、この際、約20種類にわたるNBD-化全アミノ酸の光学対称体の一斉分離は不十分であった。そこでそれらの分離のための新しいタイプの光学活性固定相カラム(光学活性部位は既存のものを用い、それとアミノプロピルシリカゲルとを結ぶアルキル鎖を伸長させた固定相4種類)の作製を試みた。それらの内、APS-11-OA-2500Sはアミノ酸の光学分割のみならず、相互分離も良好であることが判明した。このカラムはアミノ酸、アミノ酸エステルの他、β-アミノ酪酸の誘導体も光学分割することが判明した。 この光学分割のメカニズムをNMRを用いて検討したところ、アミノ酸のアミノ基プロトンと固定相中光学活性部位のアミド基のカルボニル基との相互作用が観察された。 放射能標識D-アスパラギン酸をラットに静脈注射し、全身オートラジオグラフィーにて検索したところ、その放射能は内在性D-アスパラギン酸の存在部位に多く取り込まれていることが判明した。 抗D-アスパラギン酸ポリクローナル抗体を作製して、ラット松果体の免疫染色を行ったところ、D-アスパラギン酸はメラトニン産生細胞である実質細胞に多く存在することが判った。下垂体細胞でもその局在が明らかとなり、D-アスパラギン酸が何らかの生理的役割を果しているのではないかと思われる。
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[Publications] M.Tsunoda, et al.: "Enantiomeric Separation of NBD-Amino Acids by Capillary Zone Electrophoresis Using Cyclodextrins as Chiral Selectors." Chromatogr.18. 21-25 (1997)
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[Publications] J.A.Lee, et al.: "Immunohistochemical Localization of D-Aspartate in the Rat Pineal Gland." Biochem.Biophys.Res.Comm.231. 505-508 (1997)
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[Publications] K.Imai, et al.: "Accumulation of Radioactivity in Rat Brain and Peripheral Tissues Including Salivary Gland after Intravenous Administration of ^<14>C-D-Aspartic Acid." Proc.Japan Acad.73,Ser.B. 48-52 (1997)
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[Publications] K.Hamase, et al.: "Regional distribution and postnatal changes of D-amino acids in rat brain." Biochim.Biophys.Acta. 1334. 214-222 (1997)
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[Publications] 今井一洋、他: "D-アミノ酸研究の最近の進歩" 薬学雑誌. 117. 637-646 (1997)