1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457611
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
関水 和久 九州大学, 薬学部, 教授 (90126095)
|
Keywords | ストレス刺激 / 大腸菌 / DNAの超らせん構造 / 熱ショック蛋白 / シグマ32 / 熱ショック応答 / DNAジャイレース / ナリジキシン酸 |
Research Abstract |
研究代用者らは、大腸菌内のプラスミドDNAの超らせん度が、環境からのストレス刺激により変化し、弛緩することを示し報告している。さらに研究代表者らは、DNAの弛緩と熱ショック蛋白の誘導の間に密接な対応関係があることから、熱ショック蛋白の誘導において、DNAの超らせん構造が重要な役割を演じている可能性を指摘していた。既に、別の研究グループによる、大腸菌の熱ショック誘導の分子遺伝学的研究から、熱ショック誘導においては、シグマ32と呼ばれる熱ショック遺伝子の転写因子の安定性並びに、翻訳レベルでの合成促進による、細胞内濃度の上昇が重要であることが報告されている。本研究の目的は、細胞内のDNAの弛緩とシグマ32の濃度の上昇との間の因果関係を分子レベルで理解する点にあった。本研究では、DNAジャイレースの特異的阻害剤である、ナリジキシン酸のシグマ32の安定性並びに合成促進の有無を検討した。その結果、この薬剤による細胞内のDNAの弛緩に対応して、シグマ32の合成並びに安定性が上昇することが分かった。また、ナリジキシン酸耐性のDNAジャイレース遺伝子の変異株では、これらの事象はいずれも起こらなかった。この結果は、DNAの弛緩と熱ショック蛋白の誘導との間の因果関係を強く示唆している。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Yasuyuki Ogata,T.Mizushima,& Kazuhisa Sekimizu: "Dnak Heat Shock Protein of Escherichia coli Maintains the Negative Supercoiling of DNA against Thermal Stress" The Journal of Biological Chemistry. 271. 29407-29414 (1996)
-
[Publications] T.Mizushima,Y.Ohtsuka,& K.Sekimizu: "Increase in synthesis and stability of σ^<32> on treatment with inhibitors of DNA gyrase in Escherichia coli" Mol Gen Genet. 253. 297-302 (1996)
-
[Publications] Miki Matsuo,Y.Ohtsuka,& Kazuhisa Sekimizu: "Transient Relaxation of Plasmid DNA in Escherichia coli by Fluoroquinolones" J.Pharm.Pharwacol.48. 985-987 (1996)
-
[Publications] T.Mizushima,M.Matsuo & Kazuhisa Sekimizu: "Induction of Dnak and GroEL Heat Shock Proteins by Fluoroquinolones in Escherichia coli" Antimicrobial Agents and Chemotherapy.41. 193-195 (1997)