1996 Fiscal Year Annual Research Report
平滑筋ミオシン軽鎖キナーゼの構造と機能に対する再検討:分子生物学的アプローチ
Project/Area Number |
08457633
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小浜 一弘 群馬大学, 医学部, 教授 (30101116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 彰男 群馬大学, 医学部, 助手
石川 良樹 群馬大学, 医学部, 助手 (20212863)
岡垣 壮 群馬大学, 医学部, 講師 (80185412)
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Keywords | 平滑筋 / ミオシン軽鎖キナーゼ / カルシウムイオン / 収縮制御 / 発現蛋白質 / カルモジュリン / ミオシン / アクトミオシン |
Research Abstract |
平滑筋の収縮がCa^<2+>より制御されていることに関しては、現在、まず異論はないと考えられている。この制御に関しては、ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)によるミオシン軽鎖のリン酸化を介しているとのリン酸化説が主流的であ。最近の先端技術のとり入れにより平滑筋収縮制御に関する生理・薬理学的知識は増大し、この明快なミオシン連関制御のみでは説明できなくなって来た。一方、MLCKにはキナーゼ能と共にアクチン結合能が知られているが、私どもは、アクチンに連関した強力な制御作用のあることを明らかにした。ここで改めて、キナーゼ能にせよ、アクチン結合能にせよ、MLCKを平滑筋の収縮制御の主役を担う分子として位置づけられ、その構造と機能を検討しなおす必要が出て来た。本年度の実績は以下の通りである。 I)組替体発現蛋白質の作成(1)i)ウシ胃のMLCKをコードするcDNAを利用し、ベクターのクローニングsiteを含むDNA合成プローブを作成し、PCRにてアクチン結合部位とミオシン結合部位をコードするcDNA断片を作成する。ii)近年開発された強力なT7プロモーターを有するプラスミド:pET21にそれぞれの断片を組み込む。iii)これらを大腸菌にトランスフェクトさせ、大量培養し、発現蛋白質を精製する。(2)i)(1)i)〜iv)の方法に準じて、アクチン部位をN側とC端側に分割した発現蛋白質を得る。ii)(1)i)〜ii)の方法に準じて、ミオシン部位は、a)キナーゼ活性部位からC末端までのもの、b)a)よりキナーゼ活性部位を除いたもの、c)b)よりカルモジュリン結合部位を除いたものをデザインし、発現蛋白質として得る。 II)機能検定 (1)牛胃よりミオシン、アクチン及びMLCKを、カルモジュリンは牛脳より精製する。ミオシンの一部はカルモジュリンとMLCKによりリン酸化し、アクチンは重合させて用いる。(2)アクチン活性化ミオシンATPase測定、超沈澱測定系にI)で得られた発現蛋白質を与えて、その作用を検定する。この結果、非リン酸化ミオシンを用いた場合は、ミオシン結合部位が促進作用を及ぼし、リン酸化ミオシンを用いた場合は、アクチン結合部位が抑制作用を及ぼすことが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] "Myosin light chain kinase : an actin-binding proctin that regulates an ATP-dependent interaction with myosin." Trends Pharmacol. Sci.17. 284-287 (1996)
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[Publications] Sasaki,Y.: "Inhibition by drebrin of the actin-bundling activity of brain fascin,a protein localized in filopodia of growth cones." J.Neurochem.66. 980-988 (1996)
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[Publications] Hayashi,K.: "Modulatory role of drebrin on the cytoskeleton within dendritic spines in the rat cerebral cortex." J. Neurosci.16. 7161-7170 (1996)