1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経終末の破壊・再生とニューロモジュリンの変化に関する薬理学的研究
Project/Area Number |
08457637
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
福田 健夫 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70038694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 真一 鹿児島大学, 医学部, 助手 (60253861)
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Keywords | ニューロモジュリン / GAP-43 / ドパミン / 線条体 / 6-ハイドロキシドパミン / 黒質 / チロシン水酸化酵素 / sprouting |
Research Abstract |
本研究は,ドパミン神経を障害した場合,再生におけるニューロモジュリン(NM)の役割をin vivoで検討するものである.平成8年度(初年度)では,NMとドパミン神経系との関係を明らかにした.ドパミン神経がNMmRNAを持っているのは,文献上証明されているが,NMが局在する神経終末,つまり線条体におけるNMの量についてのデーターがないので,線条体のNMのうちどれ位の割合のNMがドパミン神経終末に由来するかを検討した.約20%のNMがDA神経終末の存在し,残りのほとんどは大脳皮質-線条体路に由来することがわかった.神経終末に局在すると考えられている他のタンパク(SNAP-25,シンタキシン,シナプシン)の中でも最もドパミン神経系に含まれている割合が高かった. 本年度は,ドパミン神経終末が再生するかチロシン水酸化酵素(TH)を指標として検討した.ドパミン神経終末を選択的に破壊する6-OHDAを線条体に大量(36μg)投与すると,ドパミン神経終末が破壊され,更に逆行変性が生じ黒質の細胞体まで障害された.一方,中等量(12μg)を投与すると,破壊された線条体の神経終末が徐々に回復した.この時の線条体NMの変化を測定した.前述のように線条体のNMのうちDA神経由来のものは20%しかないためNM増加の有意差は得られなかった. 現在,黒質でNMとTMのin situ hybridizationを行っており,mRNAレベルでの変化を定量中である.
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