1996 Fiscal Year Annual Research Report
農村地帯に生活する高齢者のヘルスプロモーションと看護に関する研究
Project/Area Number |
08457647
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
見藤 隆子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (00086266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 茂代 長野県看護大学, 看護学部, 教授
池田 紀子 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (70281251)
太田 勝正 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (60194156)
北山 三津子 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (70161502)
小西 恵美子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70011054)
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Keywords | 農村 / 高齢者 / ヘルスプロモーション / 看護 / 伝統的生活習慣 |
Research Abstract |
古くからの生活習慣が高齢者の健康とQOLに大きく影響すると言われている。我々は、特に高齢化が急速に進み、また、都市化の波により人々の伝統的な生活習慣が失われつつある農村地帯の高齢者に着目し、現在および古くから受け継がれてきた生活習慣と健康との関係を明らかとするための実態調査を行った。対象は、わが国で一人当りの老人医療費が最も少ないといわれるK市の高齢者とし、保健指導台帳より自立歩行可能な179人を対象として、質問紙によるアンケート調査、骨密度、体志望等の身体生理学的計測を行い、さらに、約120人を対象として半構成的質問紙面接調査を行った。 回答者の平均年齢は、72.0才(最高88才)で、男性39人、女性140人である。家族構成は、夫婦2人暮らしが20%、一人暮らしが7%であり、多くは自分の息子、嫁、孫らとともに暮らしている。91%が腰痛、間接痛等の症状を訴えているが、全般的な健康状態は、63%がよいと答え、過去1年に1週間以上寝込んだ人は9%であった。健康習慣指数(8点満点)は、平均6点で、89%が5点以上(良)であり、主観的幸福感尺度(17点満点)は、平均10点と他集団と比べて、やや高かった。橈骨遠位1/3の部位でのDXA法による骨密度の測定結果は、平均0.52mg/cm^2で、全体の54%が同年齢の平均値以上の値を示した。BIM(肥満指数)が26kg/m^2を超えた人は17%であった。健康関連の習慣では、早寝早起き、十分な睡眠、昼寝に心掛け、友人との会話を楽しむと答えた人が約半数おり、規則正しい食事、野菜の摂取、肉類、乳製品および海草の摂取を心掛けるとともに、食べ過ぎと塩分の取りすぎに注意している人が全体の70%超えていた。しかし、昔からの伝統的な食生活、風習ならびに健康法を続けていると答えた人はわずかであり、高齢者の健康との間に直接的な関係が無いことが示された。
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