1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
日景 弥生 弘前大学, 教育学部, 助教授 (10142829)
|
Keywords | 親水性粒子 / でんぷん粒子 / 機械力 / 膨潤 / 温度効果 |
Research Abstract |
食器洗浄における機械力の効果について今年度は次のような成果が得られた。 1.親水性粒子汚れ(でんぷん粒子)の付着状態・膨潤・変形の観察・解析 親水性粒子汚れには市販でんぷん粒子を用いた。しかしその粒子は表面が油で覆われており水に浸漬しても変形を起こしにくいため,ベンゼンで脱脂した物を用いた。実際の実験には,コーン,小麦,馬鈴薯の3種の粒子を用いたが、以下にはコーン粒子についてのみ報告する。コーン粒子は,浸漬前の粒子径は15μmであり,形状は種々の形があるがおおむね球形に近く,基質との接触面積をもつことが観察された。水に浸漬させたところ,40℃6時間で15.44μm,60℃6時間で19.06μmとなり,時間効果より温度効果の方が大きいことがわかった。浸漬後の粒子の形状も,吸水による膨潤や変形が観察された。なお,温度をこれ以上高くすると糊化が始まり粒子としての形状を失うために粒子状態での観察は60℃が限界である。 2.親水性粒子汚れ(でんぷん粒子)の洗浄と洗浄中の粒子挙動の観察・解析 ガラス平板にコーン粒子を付着させ水温を20〜60℃に変化させて洗浄したところ,20℃〜40℃では除去率はほぼ0,50℃以上では約30〜50%となり、1.と同様に温度効果が大きいことがわかった。粒子除去は膨潤した粒子に水流が作用し,徐々に粒子がはぎ取られるように除去された。すなわち疎水性粒子のように1つの粒子がそのまま除去されたのとは異なる現象がみられた。 来年度はこの成果をもとに研究をより発展させる予定である。
|