1996 Fiscal Year Annual Research Report

快適な寝心地の客観的評価と寝具の快適性能設計への応用

Research Project

Project/Area Number	08458006
Research Category	Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
Research Institution	Nara Women's University
Principal Investigator	丹羽雅子奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80031665)
Keywords	毛布の快適性能 / 毛布の肌ざわり / 毛布の熱・水分移動特性 / 敷布団の寝心地 / 布団綿のへたり / 布団綿の熱・水分移動特性 / まくらの安眠性 / まくらの放熱性
Research Abstract	寝具材料の中で、各種市販毛布をとりあげ、触感のよさを毛布の物理的特性を用いて客観的に評価する方法を導いた。他方、毛布の製造に携わる熟練技術者の長年の経験に基づく評価基準で官能評価を実施し、これらの評価を毛布の表面特性、圧縮特性、厚さ、単位面積当りの重量から客観的に評価する方法の妥当性を明かにした。また、これまでの研究で明かにされている紳士ス-ツ地の触感の良さの特性範囲と毛布の肌触りの良さの特性範囲が一致することを見い出し、これらに共通した感覚の良さの存在することを確認した。一方、毛布の温熱的快適性に関わる熱.水分移動特性を測定して、毛布の初期性能を検討した結果、羊毛、アクリル毛布は熱損失が少なく、冬用としての総合風合い値が高いことを総合して、冬用毛布としての最適範囲を明確にし、綿、麻毛布は夏用の毛布として適していることをその物理特性の範囲として捉えた。また、毛布の初期性能の耐久性について、毛布のくり返し使用、洗濯による性能変化を表面特性、力学物性、熱物性変化として捉え、性能劣化を客観評価し、寝具の快適性能設計へ応用し得る客観的資料を提示した。次年度は安眠まくらと寝たきり高齢者、身障者および乳幼児などの身体と直接触れて使われる敷マットの理想的な性能範囲を明確にするため、本年度は、まず、市場調査を実施して、海外の製品をも含めて広範囲に試料を収集し、これらの力学特性、熱物性の測定条件設定のための予備実験を行った。実用条件に近似した力レベル、変形レベルで寝心地の相違を明確に計測できる方法について検討を重ね、来年度の準備を進めた。布団綿については、寝心地のよい敷布団を想定し、モデル布団のくり返し圧縮による厚さ変化と圧縮かたさ感覚に与える粘弾塑性的性質を測定し、繊維組成、繊維の形態、繊維の力学特性ならびに繊維の熱・水分特性が繊維集合体としての布団綿の諸性能の及ぼす影響を明らかにした。

Research Products
(8 results)

All Other

All Publications (8 results)

[Publications] 中西正恵、丹羽雅子: "織物構造モデルに基づく定常状態における織物の水分移動抵抗の予測" 日本家政学会誌. 47・9. 889-897 (1996)
[Publications] Sachiko Sukigara,Hiroko Yokura and Masako Niwa: "The Effect of Moisture Transfer on the Compression Properties of Wool Futon Padding" International J.Clothing Science and Technology. 8・5. 29-41 (1996)
[Publications] Sachiko Sukigara and Masako Niwa: "Objective Evaluation of Fibrous Packing Materials" The Collection of Papers for the Third International Silk Conference,China. 248-255 (1996)
[Publications] 輿倉弘子、鋤柄佐千子、丹羽雅子: "羊毛敷ふとんわたの繰り返し圧縮による性能変化第2報:-繰り返し圧縮試験によるモデルふとんの厚さ変化-" 繊維製品消費科学会誌. 37・10. 535-543 (1996)
[Publications] Junko Yoneda and Masako Niwa: "Evaluation of the Thermal Characteristics of Membrane Materials for Architectural Membrane Structures" Proc.of the Seventeenth Japan Symposium on Thermo-physical Properties. 151-154 (1996)
[Publications] 森美友喜、丹羽雅子、樫本富美子: "縫い目かたさに及ぼす縫製条件の影響" 繊維学会誌. 53・2. 41-52 (1997)
[Publications] 丹羽雅子編著: "アパレル科学-美しく快適なアパレルを科学する-" 朝倉書店(4月刊行予定), 約120 (1997)
[Publications] 井上真理、丹羽雅子: "日本家政学会第49回大会発表予定" 毛布の帯電性と着用感, (1997-5月

1996 Fiscal Year Annual Research Report

快適な寝心地の客観的評価と寝具の快適性能設計への応用

Principal Investigator

丹羽 雅子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80031665)

Research Products

[Publications] 中西正恵、丹羽雅子: "織物構造モデルに基づく定常状態における織物の水分移動抵抗の予測" 日本家政学会誌. 47・9. 889-897 (1996)

[Publications] Sachiko Sukigara,Hiroko Yokura and Masako Niwa: "The Effect of Moisture Transfer on the Compression Properties of Wool Futon Padding" International J.Clothing Science and Technology. 8・5. 29-41 (1996)

[Publications] Sachiko Sukigara and Masako Niwa: "Objective Evaluation of Fibrous Packing Materials" The Collection of Papers for the Third International Silk Conference,China. 248-255 (1996)

[Publications] 輿倉弘子、鋤柄佐千子、丹羽雅子: "羊毛敷ふとんわたの繰り返し圧縮による性能変化 第2報:-繰り返し圧縮試験によるモデルふとんの厚さ変化-" 繊維製品消費科学会誌. 37・10. 535-543 (1996)

[Publications] Junko Yoneda and Masako Niwa: "Evaluation of the Thermal Characteristics of Membrane Materials for Architectural Membrane Structures" Proc.of the Seventeenth Japan Symposium on Thermo-physical Properties. 151-154 (1996)

[Publications] 森美友喜、丹羽雅子、樫本富美子: "縫い目かたさに及ぼす縫製条件の影響" 繊維学会誌. 53・2. 41-52 (1997)

[Publications] 丹羽雅子編著: "アパレル科学-美しく快適なアパレルを科学する-" 朝倉書店(4月刊行予定), 約120 (1997)

[Publications] 井上真理、丹羽雅子: "日本家政学会第49回大会 発表予定" 毛布の帯電性と着用感, (1997-5月

丹羽雅子奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80031665)

[Publications] 輿倉弘子、鋤柄佐千子、丹羽雅子: "羊毛敷ふとんわたの繰り返し圧縮による性能変化第2報:-繰り返し圧縮試験によるモデルふとんの厚さ変化-" 繊維製品消費科学会誌. 37・10. 535-543 (1996)

[Publications] 井上真理、丹羽雅子: "日本家政学会第49回大会発表予定" 毛布の帯電性と着用感, (1997-5月