1997 Fiscal Year Annual Research Report
快適な寝心地の客観的評価と寝具の快適性能設計への応用
Project/Area Number |
08458006
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
丹羽 雅子 奈良女子大学, 学長 (80031665)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 正恵 神戸女子大学, 家政学部, 講師(非常勤講師) (20248115)
松生 勝 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80091841)
|
Keywords | 枕の寝心地 / 枕のなじみ感 / 枕の圧縮特性 / 枕充填材料の有効熱伝導率 / 枕の放熱性 / 枕充填材料の通気抵抗 / 毛布の快適性 / 毛布の着用性能の耐久性 |
Research Abstract |
本年度は、近年、形態や充填材料などによりさまざまな機能をうたって市販されている枕を取り上げ、枕の寝心地の客観的な性能評価方法や、理想的な枕を設計するため、各種枕充填材料の熱・水分・空気の移動特性や圧縮特性などを検討した。1.市販の枕25種を収集し、成人女子を被験者として枕の柔らかさや冷温感などの寝心地の官能評価を行なった。また、圧縮や熟物性を測定する条件を決める資料を得るため、仰臥姿勢で寝た時の枕にかかる圧力を頭部に取付けたエアーバッグセンサーにより測定した。このデータに基づいて、枕の圧縮特性は最大荷重を50gf/cm2として、面積25cm2の加圧円板を用いて圧縮したときの仕事量が枕の柔らかさを評価する尺度として最適であることなどを明らかにした。また、頭部から枕への接触後の熱移動のシミュレート実験を行ない、寝たときの冷温感と対応することを示した。2.枕の形状の効果を排除し、充填材料の特性を調べるため、充填物を一定体積のホルダー内に充填し、圧縮特性、熱伝導率、通気抵抗、水分移動を伴う熱移動量を測定し、これまで、あまり公表されていない充填材料の特徴が定量的に明らかになり、枕の充填材料の性能設計のための基礎データを得ることができた。3.一定の布袋に充填する充填物の種類や量による寝心地や圧縮特性の違い、枕と頭部の間の温湿度変化などの検討についても行なったほか、充填物の材質や形態の効果などを考慮して、充填材料の熱伝導率や通気抵抗などの性能を詳細に理論的に解析する準備を進めた。 本研究の最終年度として、枕と、布団や毛布など前年度の研究成果を踏まえ、寝具の寝心地の客観的な性能評価方法を提案するとともに、快適な寝心地の得られる寝具、充填材料の性能設計への基礎資料をまとめた。
|
-
[Publications] Masae Nakanishi: "Thermal Transport and Compression Properties of Pillow Padding for the Estimation of Sleeping Comfort" Proc.of the 26th Textile Research Symposium at Mt Fuji. 51-62 (1997)
-
[Publications] 中西正恵: "枕充填材料の熱移動特性" 第18回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 49-52 (1997)
-
[Publications] 諸岡晴美: "繰り返し圧縮による毛布の熱・水分移動特性の変化" 第18回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 61-64 (1997)
-
[Publications] 井上真理: "毛布の熱・水分移動特性と快適感" 第18回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 65-68 (1997)
-
[Publications] 丹羽雅子: "朝倉書店" アパレル科学, 128 (1997)
-
[Publications] 阿部幸子: "朝倉書店" 被服学事典, 481 (1997)